2015 Fiscal Year Research-status Report
脳梗塞治療効果の飛躍的向上への戦略~急性期薬物治療と幹細胞移植の融合~
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26462165
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀江 信貴 長崎大学, 病院 (医学系), 助教 (70380912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日宇 健 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00404260)
西田 教行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40333520)
佐藤 克也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (70398147)
山口 将 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (70712131)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳梗塞 / 再生医療 / 幹細胞 / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳梗塞モデルについては左中大脳動脈閉塞75分で均一な梗塞サイズを得ることができ、継続して同様の手技とした。細胞移植としては従来我々が行っている方法を踏襲し、脳梗塞モデル作成24時間後に行った。外頚動脈からカニュレーションを行い、細胞懸濁液300ul/mlの投与を行った。投与から1,2,3,7, 14, 28日後の神経学的重症度評価および組織学的評価を行った。移植細胞は行き続いて低酸素プレコンディショニングを行った。用いた細胞は mesenchymal stem cell (MSC)とし、通常酸素濃度暴露群(20%酸素濃度)と低酸素濃度暴露群(1%酸素濃度)での比較とした。In vitroでの検討では 5000 cell/wellずつ配置し、0,6,24,48,72時間で評価した。生存率はMTT assayで評価した。その結果、24時間の低酸素が最適な期間であり、48、72時間では細胞死が多く見られた。24時間未満では通常条件と変化なし。その後5日間21%酸素化で培養すると5日目で細胞数が追いついた。運動機能においては、とコントロール群とで優位差が出るのはDay2からDay28であり、低酸素群とコントロール群とで優位差が出るのはDay2からDay28、通常酸素群と低酸素群で優位差が出るのはDay28であった。体重の変化についても同様で通常酸素群と低酸素群で優位差が出るのはDay28であった。続いて組織学的検討に移った。移植細胞をヒト細胞マーカーStem121で染色し、移植細胞生存率を定量すると低酸素群が生存率が高い傾向にあった(N=3であり有意差は付いていない)。新生血管についても血管内皮細胞マーカーRECA1およびペリサイトマーカーPDGFRBで定量を行ったが、こちらは通常酸素群と低酸素群での差は見られなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はin vitroで得られた成果をもとにin vivoにおける実験に移行できたため、概ね順調と考える。今後はin vivoでの生存率、新生血管についてはn数を増やして再検討を行い、炎症や細胞遊走を含めて検討を加える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は組織学的検討をさらに進めていき、またin vitroでの細胞サンプル、in vivoでの脳組織サンプルを用いて蛋白定量を進める方針である。定量方法はLUMINEX assayにて網羅的に液性栄養因子を定量する。
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Causes of Carryover |
前年度の国際学会発表使用分の請求が次年度に回ったこと、およびLuminex assayの評価が次年度に回ったことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
Luminex assayによる液性栄養因子の解析を行う予定である。
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