2015 Fiscal Year Research-status Report
脳腫瘍幹細胞におけるLAT1の幹細胞性維持機構への関与の検討
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26462176
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
櫻田 香 山形大学, 医学部, 教授 (60312732)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳腫瘍幹細胞 / LAT1 / LAT2 / PET |
Outline of Annual Research Achievements |
アミノ酸トランスポーターLAT1(L-type amino acid transporter 1)は、がんにおいて発現が上昇していることが知られ、これにより神経膠腫でもメチオニンPETの高集積がみられると考えられている。近年、LAT1発現にc-mycが関与していること、またLAT1の細胞内シグナル伝達の下流にmTORが存在することが明かとなってきた。c-myc, mTORともに幹細胞性維持への関与が知られていることからLAT1もがん幹細胞の幹細胞性維持に関与している可能性が考えられる。そこで、本研究では、LAT1の幹細胞性維持機構への関与を明らかとすることとし、治療への可能性につなげることを目的とした。H26年度は神経膠腫手術患者33例について、ニューロナビゲーションシステムを用いて術前メチオニンPEのT集積の高い部分と低い部分を採取した。H26年度はこれらの標本についてWHO grade, p53, MGMT, mIDH1について検討した。H27年度は主要幹細胞に関連するc-myc, HIF-1α、mTOR、CD133とアミノ酸トランスポーターLAT1, LAT2の発現について免疫染色を行った。CD133の免疫染色が安定しなかったため、CD133と同様に幹細胞マーカーとしてよく用いられるSOX-2についても検討を行い安定して綺麗な免疫染色を行える条件が確定した。現在10例の染色が終わっており、今後症例を増やすとともにこれらのタンパク質の発現の相関、またT/N比との相関、腫瘍の悪性度との相関を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用する抗体が多く染色の条件検討に時間を要し、代替となる抗体についても条件検討が必要となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度より山形大学医学部がんセンター病理解析センターおよび病理学講座の協力を頂いており、条件検討は予定よりも速やかに完了できた。今後は症例数を増やし実際のデータを速やかに解析し、たんぱく質発現の相関、メチオニンPETのT/N比との相関、悪性度との相関について検討を行う。またグリオーマ細胞株およびグリオーマ幹細胞の培養を並行して行いLAT1阻害剤の細胞への影響についても検討を開始する。
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Causes of Carryover |
実験に用いる抗体の条件検討に時間を費やしたため、予定されていた細胞培養の開始時期が次年度になった。このため細胞培養用の試薬の購入も先送りとなり次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度は速やかに培養細胞を用いる実験系を立ち上げ、予算を有効に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)