2014 Fiscal Year Research-status Report
グリオーマにおける上皮間葉転換の機序解明とマイクロRNAによる制御
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26462178
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
川瀧 智之 山梨大学, 総合研究部, 講師 (20303406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 正夫 山梨大学, 総合研究部, 教授 (90345041)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 上皮間葉転換 / 悪性グリオーマ |
Outline of Annual Research Achievements |
4つのヒトグリオーマ細胞株を対象に定量的PCRにてZEB1を含むEMT制御因子と細胞外基質であるVimentin,fibronectin, E-cadherin, N-cadherinの発現及びTGF-beta刺激による発現の変化を検討した。ZEB1高発現細胞株を対象にRNA干渉にてZEB1をノックダウンし,transmigration assayにより浸潤能の影響を検討した。 【結果】EMT制御因子の中でZEB1 m-RNAの相対的な発現量は、いずれの細胞でも高発現を示し、TGF-betaの刺激により発現が上昇した。また、 N-cadherinがE-cadherinに比べ優位に発現していた。また、TGF-betaによるtransmigration assayによる浸潤能の亢進が認められた。ZEB-1ノックダウン細胞では、有意に浸潤能が低下した。 【考察】グリオーマでは、ZEB1が高発現を示し、E-cadherinが抑制され、浸潤能が亢進した状態であると考えられた。ZEB1は、グリオーマの浸潤能に対する有力な治療ターゲットになる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト悪性グリオーマ細胞株において上皮間葉転換に関与している標的転写因子の高発現とその抑制により、浸潤能が低下したことが確認され、さらなる実験の遂行が可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のその他の転写因子をターゲットにしてin vivo 及び in vitroにおける蛋白発現を検討している。
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Causes of Carryover |
初年度は、主に培養細胞を主体とした研究を行ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究次年度では、マウスを使用した動物実験を行うため、マウスの購入費用や維持費および抗体などの経費が初年度よりかかる見込みである。
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