2014 Fiscal Year Research-status Report
中枢神経系悪性リンパ腫の病因遺伝子と予後因子の解明
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26462189
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
塩川 芳昭 杏林大学, 医学部, 教授 (20245450)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中枢神経系悪性リンパ腫 / 予後因子 / mismatch repair蛋白 / Bcl6 / 全エクソンシークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)と診断された41症例(男性25例、女性16例、平均年齢62.8歳)を対象に、臨床的検討因子として性別、年齢、Karnofsky performance status(KPS)、病変部位(深部病変、脳弓前半部、中脳被蓋・上髄帆)、病変数、治療法を用い、組織学的検討因子としてmethotrexate (MTX) 代謝関連因子(DHFR, MRP, LRP)、B細胞subtype関連因子(CD10, BCL6等)、細胞周期関連因子(Ki67, p27)、癌遺伝子産物(BCL2, cMYC, pSTAT3)、薬剤耐性因子(MGMT, MMR蛋白)を免疫染色法で評価し、無増悪生存期間 (PFS) 、全生存期間 (OS)を基に予後因子を後方視的に検討した。本研究の結果、以下の知見が得られた。① 従来予後不良とされた深部病変に比べ、脳弓前半部および中脳被蓋・上髄帆病変は限局的で脳室に近く、上衣下浸潤しやすいことからより有意な予後不良因子と考えられた。② mismatch repair (MMR) 蛋白の発現低下はMTX耐性および再発に強く影響し、PCNSLの予後因子であることが初めて示された。③ PCNSLでは全身性diffuse large B cell lymphoma (DLBCL)で予後不良とされるnon-GCB typeの割合は多いが、予後との関連はみられなかった。一方、PCNSLではBCL6発現は予後良好傾向を示し、予後因子である可能性が考えられた。これら研究結果は今後さらに前向き試験にてその意義を検証する予定である。 さらに東京大学医学部間野教授との共同研究により、PCNSLにおける遺伝子異常の全exomeシークエンスによる解析を行った。その結果、全身DLBCLとは異なる頻度で変異が生じていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究のデータをさらにupdateし、臨床情報と対比して十分な解析を行えた。 多施設共同で腫瘍標本を集積し、共同研究として遺伝子解析を行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の後方視的腫瘍標本を用いた解析の結果を、前向き臨床試験の標本によって、予後因子として抽出された因子が変わりなく有意な因子であることを検証する。 遺伝子解析により検出された遺伝子変異の臨床的意義、機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
研究計画に沿って、実験を遂行し、必要な物品(消耗品等)を購入した。ほぼ予定額と同様な額の使用となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
わずかな残額は、次年度の予算に組み入れ、引き続き予定している研究に使用する。
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