2016 Fiscal Year Research-status Report
上衣細胞の細胞周期再開始・運命決定制御による脊髄損傷修復促進技術の開発
Project/Area Number |
26462206
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤谷 昌司 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40376372)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | p73 / 水頭症 / シリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、a)脊髄損傷モデル動物における中心管上衣細胞の細胞周期再開始と、グリア前駆細胞への脱分化にTAp73が関与することを証明する。b)in vitroでの脊髄損傷による脱分化モデルを単離培養中心管上衣細胞を用いて確立し、脱分化シグナルを同定する。c)b)で同定したシグナル制御及び、TAp73分子の蛋白制御を介した脱分化促進剤を開発する が具体的な目的であった。しかし、実験を進めるに従って、a)の脊髄損傷モデル動物における中心管上衣細胞の細胞周期再開始と脱分化にp73,p53が関与することを証明することができなかった。しかし、Frisen研究室との共同研究により作成した、上衣細胞特異的p73ノックアウトマウスを活用するため、p73のノックアウトマウスが水頭症を来すことから、p73によるシリア形成制御機構に関する研究を行った。新たに作成したp73ノックインマウスを用いて、p73の発現と、シリア形成の表現型を解析した。p73の発現は、成体においても上衣細胞にて発現が確認された。しかし、成体においてノックアウトしても、水頭症は来さず、シリアの形成にも異常は来さなかった。また、先行研究から、二次繊毛形成との関与が疑われたため、生直後にp73をノックアウトしたところ、これによっても水頭症は来さないものの、p73ノックインマウスで観察された中脳水道の狭窄を認めた。一方、p73のノックインマウスは、translational poralityの異常を来しているが、これは胎児期のprimary cilium(一次繊毛)の形成の異常が成体にまで影響を及ぼしていると考えられたこと、また、条件特異的ノックアウトマウスの解析結果から、一次繊毛異常が水頭症発症にもっとも寄与していると考えられた。これらのことを論文にまとめ、投稿し、reviewをうけ、revisionを投稿するに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の方向性は変わったが、論文を投稿し、リバイス実験を行った。早期に論文発表できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、p73による一次繊毛形成制御機構を解明していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
2017年度に国際幹細胞学会にて研究成果を発表するため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際学会参加費用として使用
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Research Products
(7 results)