2015 Fiscal Year Research-status Report
てんかん発作発現前の生理的脳内ネットワークの変調に基づいた発作予知理論の実証
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26462211
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
丸田 雄一 山口大学, 医学部, 特別医学研究員 (30543970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 幸一 京都大学, 情報学研究科, 助教 (10642514)
野村 貞宏 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20343296)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | てんかん / 脳波ノイズ除去 / 経験的モード分解 / 脳内ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
高度なてんかん発作検出理論の構築あるいは発作予知理論の構築と実証を目的として、頭蓋内脳波データの解析結果から発作予知を行うための基盤技術確立を目指し研究を実施している。 上記目的の達成のためには、脳波解析の解析精度を低下させるアーチファクト(ノイズ)の分離・除去が必要である。そこで、昨年度は、頭蓋内脳波のノイズ除去法として多変量経験的モード分解(Multivariate empirical mode decomposition;MEMD)による研究を実施した。しかし、本法では、ノイズを構成している成分を分離し、純粋な脳波信号を再現することに多大な時間を要したため、その改良が課題となった。 昨年度の研究成果については、本年度の日本臨床神経生理学会学術大会にて発表した。あらゆる脳波に含まれる(重積する)ノイズに対してMEMDによる分解が有効であることが示せたものと考える。このノイズ除去の利点については、Brain Machine Interface(BMI)の領域の研究者から興味がある内容であると評された。 また、脳波の分解に多大な時間を要するといった問題点の解決のため、多変量経験的モード分解のプログラムの並行処理を含めたプログラムの最適化に着手したが、MATLABでの並列処理のプログラムの開発が技術的に困難であったため、単変量経験的モード分解に切り替えて処理の高速化を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
頭蓋内脳波のノイズ除去法として多変量経験的モード分解は有用であったが、頭蓋内脳波データの分解に多大な時間を要し、解析効率が悪かった。そこでプログラムの並行処理を含めたプログラムの最適化に着手したが、並列処理のプログラムの開発が技術的に困難であった。そこで単変量経験的モード分解に切り替えて処理の高速化を図ったが、単変量経験的モード分解のプログラムの改修とデータのコンバート処理プログラムの作成に時間を要したため、脳内ネットワークの解析に至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、精製した頭蓋内脳波データを解析し、発作予知理論の構築と実証に努めたい。本研究によるノイズ除去は、概ね成功していると考えられる。したがって広域の脳波データを分解してmulti-band EEGを解析することで、達成したいと考えている。この後時間が許す限り、脳内ネットワークのてんかん発作による変調を実証し、正確な発作予知の基礎を作りたいと考える。
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Causes of Carryover |
多変量経験的モード分解の並行処理を自力で行えなかった場合、業者に委託する予定であったが業者に仕事を請け負ってもらえなかったこと。 および、自身でプログラムの改修を手がけたため、研究に遅れが生じ、結果として論文発表が出来なかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究成果の公表のため学会発表と論文の作成に使用する予定。
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