2015 Fiscal Year Research-status Report
ハイパースペクトルカメラを用いた可視光分光解析による術中脳虚血評価法の開発
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26462212
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 信哉 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (20553283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 恩 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90448415)
村田 正治 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (30304744)
吉本 幸司 九州大学, 大学病院, 講師 (70444784)
天野 敏之 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (70448413)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
飯原 弘二 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90270727)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分光解析 / ヘモグロビン / ミトコンドリア代謝 / 神経細胞代謝産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
wistar種ratを用いた中大脳動脈閉塞モデルにおいて露出脳をハイパースペクトルカメラ(HSC)を用いて撮影し,得られた分光データを解析することで血行動態変化および神経細胞代謝産物の分布・変化を視覚的に捉えることを目的とした.もともと収集できているデータは350-800nmの波長帯域であったが,ノイズなどの影響を考慮しなくても良い400-750nm巾を中心として解析を行うこととした.しかしながら,酸化ヘモグロビン(Hb),還元ヘモグロビン(Hb)の影響が強く,神経細胞代謝産物を含むその他の成分を同定することは非常に困難であった.神経細胞代謝産物としてピックアップしていた,ミトコンドリア代謝産物であるcytchrome C, cytochrome oxidase, flavin adenine dinucleotide(FAD)などの非常に小さなpeakを確認できたが,それらを用いたmapping解析では,これらの代謝産物の分布・変化の差を可視化することは困難であった. これまでは,既に得られた収集データから,前述の代謝産物の特徴的スペクトルを抽出しプログラムに組み込むことを検討していたが,Hbの影響があまりにも強すぎ,収集データから精密なプログラムを再構成することはほぼ不可能に近いと判断した. 今後は,過去の文献なども元に前述の代謝産物の特徴的なスペクトルをプログラム化し,そのプログラムを収集データ解析に利用し,実際の虚血範囲と神経細胞代謝産物の分布予想との妥当性を確認することとしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今回,プログラムの改変を中心に実験・検討を重ねた.動物モデルを不要に作成しないように留意し,大部分はこれまでに得られているハイパースペクトルデータをもとに,Hb以外の物質の同定を試みた.しかしながら,Hbの影響が強く,その他の物質・代謝産物のスペクトル抽出自体が困難であった.現在は,可視化を期待する代謝産物の特徴的スペクトルデータを過去の文献などの報告をもとに予想し,計算・予想上のアルゴリズムを作成しているところである. 臨床におけるハイパースペクトルカメラ撮影は順調に行っており,様々な病態における脳表撮影に成功しており,Hbを中心としたmapping解析を継続している.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き動物実験に加え臨床におけるハイパースペクトルデータの収集を行う.現在作成している神経代謝産物解析アルゴリズム性の確認を行うべく,過去の収集データを用いた解析に加え,動物実験および臨床データ収集を継続し,作成したプログラムの正当性を確認する予定である,
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Causes of Carryover |
もともとHSCの新規購入を控えたために高額の繰越が生じていたが,今年度もHSC購入のための合算請求可能なその他科研費が獲得できず,新規購入を見送ったこと. また,不要な動物実験は控えたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分光収集データのアルゴリズム改変に当たり,プログラムの新規開発のために,予算再分配の上で解析精度を向上させる予定である,また,実験に値するプログラム改変が感染した時点で,より積極的に動物実験を再開すべく予算を配分する予定である.
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