2015 Fiscal Year Research-status Report
てんかん外科における安静時機能的MRI と頭蓋内脳波の検討
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26462216
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
西林 宏起 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30372866)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | てんかん / 安静時機能的MRI / 頭蓋内脳波 / 難治化 / てんかん原性領域 / 脳機能再構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能的MRIを用いて、てんかん患者のfunctional connectivity (fc)を検討した。 外科手術例において、切除範囲の断端の皮質のfcが術後1年を経過して変化しないものは発作も消失していた。また、術後早期に比べて1年後に、fcの高い領域が減少する例では発作コントロールは良好で、発作間欠期のてんかん性突発波も認めなかった。しかし、fcが増大する症例においては術後に発作間欠期突発波が顕在化し、更なるfollow upでの変化に注目している。機能的fcMRIはてんかん外科において切除範囲が十分であったかの評価に有用と考えられる。 側頭葉てんかんにおいて、罹病期間が長く難治な群と、短い群で、海馬扁桃体を関心領域としたときにfunctional connectivityに相違があるかを検討した。前者が有意に高い有する領域は右下側頭回, 前部帯状回, 右前頭極であった。側頭葉てんかんの難治性と大脳辺縁系を中心とした広い機能的結合の関連性が示され、早期の外科治療の介入の必要性が支持される。 てんかん外科手術後の脳内ネットワークの変化について、補足運動野、帯状回のてんかん症例について検討した。補足運動野、帯状回、脳梁離断の術後早期には両側皮質下、大脳辺縁系のfcが増加し、術後1年後には消失した。前頭葉による運動制御の代替回路と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外科症例を検討する患者40名程度において検討を行った。今年は、外科症例が4例であったが、過去の症例も含めて、長期変化も含めて検討予定である。途中、MRI機器使用の中断時期があったが、復旧し同様のシーケンスで作業をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、種々の発作型30症例の機能的MRIについて論文を投稿しているが、成果を学会活動のみならず、大学内、大学病院内、地域医療圏あるいは全国医療圏への広報を行い、対象を増やしていく。また、密なfollow upができる体制を生かし、2-3年における、てんかん回路の変化、機能再構築におけるfcの変化という特色をだした研究を打ち出していく。
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Causes of Carryover |
MRI撮像に要する費用がすう県文次年度に持ち越したため、次年度使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は過去の患者の追跡検査に加えて、早い目に新規の患者の検査を行い、年度内に完遂できるように、適正に計画的に研究費を割りあてる予定である。
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