2016 Fiscal Year Annual Research Report
biomechanical studies of expandable pedicle screw system
Project/Area Number |
26462239
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
笠井 裕一 三重大学, 医学系研究科, 教授 (20242943)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 紀彦 三重大学, 医学系研究科, 講師 (20582076)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 脊椎外科 / 生体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎椎弓根スクリューによる固定法において、スクリューの緩み防止や固定性(アンカー効果)の向上のために、スクリュー先端部の軸方向に2つ割りスリットを入れ、スクリュー内部に設けたテーパ穴に後端から拡張ピンを挿入し、スクリュー先端を拡張させる機能を付与した拡張型スクリューを試作した。ここに、引き抜き強度による固定性の評価結果を報告する。 試作品は、ヒト腰椎用スクリューの形状を参考に、ネジ長18mmネジ外径5mmにスケールダウンして作成(材質:SUS316L)した。形状等の設計値は、予備試験として海綿骨用模擬骨を用いた引き抜き試験を行い、得られた知見からフィードバックした。評価試験は、正常なビーグル犬3匹と卵巣を切除された骨粗鬆モデルのビーグル犬5匹を用いて、引き抜き試験を行った。まず、試験体の椎体中央部に3.5mmの下穴を開け、スクリューが皮質骨を通して海綿骨に固定されたことを確認し、試作スクリューの首部に横バーを取付け、その両端を支持して、椎体を直接押し出す方法によって、引き抜き試験を行った。そして、拡張ピン径は、2.0mmと1.85mmの2種類を作製し、引き抜き最大強度を求めて、アンカー効果を評価した。 その結果、 拡張ピンを用いた先端拡張型スクリューは、拡張ピンの無いスクリューに比べて、アンカー効果は大きかった。また、正常椎体では拡張ピン径差(2.0 および1.85mm)が大きいほどアンカー効果が大きかったが、骨粗鬆椎体では拡張ピン径差によるアンカー効果はほとんどみられなかった。 結論として、先端を拡張してアンカー効果を高めたスクリューは、正常骨でも骨粗鬆骨でも固定力の向上がみられ、その有用性が示された。しかし、正常骨ではスクリューの先端を開大すればするほど固定性が高まるが、骨粗鬆骨では先端の開大をより大きくしても固定性はほとんど増加しない可能性があると考えられた。
|
Research Products
(5 results)