2016 Fiscal Year Research-status Report
脊髄損傷における境界膜の作用機序の解明および治療応用への基礎研究
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26462243
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (30304299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 健司 新見公立短期大学, その他部局等, 教授(移行) (70270014)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
損傷脊髄の損傷部周囲には境界膜が形成される。グリア瘢痕や繊維性瘢痕は組織修復に対し影響を持つことが知られるが、境界膜での細胞外マトリックスと周囲の細胞のクロストークも組織修復に大きな影響を持つと考えられる。また、細胞外マトリックスが分解を受けた際、分解産物は本来とは異なる作用を有し、創傷治癒を制御する可能性が指摘されている。我々は“境界膜の特有のIV型コラーゲン分子が亜急性期に運動機能の回復を抑制する一方、慢性期には境界膜の安定化や恒常性の獲得に働く”との仮説を予備実験から得ていた。本研究課題では脊髄損傷における境界膜の重要性を知るため、本仮説の作用機序を解明することとした。まず初めに脊髄損傷後の亜急性期で運動機能の回復が起こるモデル実験系を用いて、機能回復に関与する二次損傷と呼ばれる複数の現象についてIV型コラーゲンのノックアウトマウスと野生型マウス間で比較を行なった。免疫組織染色法により、いくつかの現象、炎症と線維化において両マウス系統間で差が見出されたため、さらにRT-PCR法やWestern blot法など異なる手法でその機序について検討を重ねた。また、keyとなるIV型コラーゲンを発現する責任細胞をin situ ハイブリダイゼーション法で明らかにしようと試みたが困難であったのでオリゴヌクレオチドを用いた別の手法の確立に取り組んでいる。また本研究に使用するノックアウトマウスの系統維持に遅れが生じたため計画の延長を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度はマウス飼育施設の改築に伴い、本実験計画に用いる遺伝子改変マウスの使用が困難となったため研究の進捗は遅れていた。現状では遺伝子改変マウスの系統維持が順調となり、ノックアウトマウスで見られた亜急性期において回復を促進する分子メカニズムの解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度はkeyとなるIV型コラーゲンを発現する責任細胞の同定や二次損傷において着目した現象の機序の解明に引き続き取り組み、成果発表のための準備も行なう。またIV型コラーゲンのバイオマーカーとしての可能性、慢性期の損傷脊髄における働きを明らかにする計画である。
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Causes of Carryover |
28年度に計画した個体レベルでの解析は未解決の課題が残っているため、計画の延長申請を行い、繰越金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未解決の課題、28年度に計画した研究課題とあわせて解析する予定である。繰り越した研究費を未解決の課題、28年度に計画した研究課題の解析および成果発表に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)