2014 Fiscal Year Research-status Report
椎間板変性におけるWntシグナルとアラキドン酸カスケードとの分子メカニズムの解析
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26462252
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
檜山 明彦 東海大学, 医学部, 講師 (00514382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 大輔 東海大学, 医学部, 准教授 (10408007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / プロスタノイド / Wntシグナル / EP受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】プロスタノイドのうちプロスタグランジン(PG)E2は炎症や疼痛など多彩かつ、時に相反する作用を有する。 近年、その受容体であるEP受容体のアイソフォームが、軟骨分化や軟骨代謝の特異的シグナル伝達に関与しており、軟骨変性過程において重要な役割をはたす事が報告されている。しかしながら椎間板細胞におけるその機能や発現については未知である。そこで平成26年度は、椎間板細胞におけるEP受容体の発現と椎間板細胞分化に関わるWntシグナルとPGE2による発現制御を解析した。 実験はSprague-Dawleyラット(n=24、11週齢)から採取した椎間板細胞を用いた。 【実験】実験1:椎間板細胞中のEP受容体のアイソフォーム (EP-1、 -2、 -3、-4) の遺伝子発現について解析した。実験2: Tcf binding motifをもつレポータープラズミドであるTopflashを遺伝子導入しPGE2刺激後の転写活性を評価した。実験3: PGE2刺激後のWnt関連遺伝子の遺伝子発現について解析した。 【結果】1: 髄核細胞、線維輪細胞ともにEP受容体 (EP-1、-2、-3、-4) の遺伝子発現を認めた。EP-2、-3、-4の遺伝子発現は髄核細胞よりも線維輪細胞で発現が強かった。髄核細胞中ではEP-1、EP-4、EP-3、EP-2の順に遺伝子発現が高かった。2: 髄核細胞、線維輪細胞ともにPGE2 (50μM、24時間)刺激後においてTopflashの転写活性の上昇を認めた。3: PGE2刺激後Wnt関連遺伝子の発現上昇を認めた。 【考察】椎間板細胞中におけるEP受容体の発現を認めた。平成26年度の解析から、PGE2/EP受容他を介したpathwayがWntシグナルを活性化させ、椎間板細胞分化を誘導した可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に準じて実験が遂行できていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は大型動物椎間板変性モデルやTop-galトランスジェニックマウスにおけるWntシグナルとアラキドン酸カスケードとの分子メカニズムを明らかにすることを目的として実験を遂行する。
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Causes of Carryover |
本年度旅費の使用分がなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は研究成果を国内外で発表する予定であり、適切な研究費使用を行う。
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Research Products
(1 results)