2015 Fiscal Year Research-status Report
損傷軟骨治癒過程におけるシンデカン-4の役割の解析
Project/Area Number |
26462257
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 智洋 北海道大学, 大学病院, 講師 (70547174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 倫政 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30322803)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 骨軟骨修復 / シンデカン4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プロテオグリカンの一つであるシンデカン‐4に着目し、関節軟骨修復メカニズムの更なる解明を目指す。本研究では、①シンデカン‐4遺伝子の欠損はケモカインSDF-1の機能に影響を与える。②シンデカン‐4の発現を調整することで、SDF-1の機能を修飾して軟骨修復が促進される。という2つの仮説を検証を試みる。 まずは第一段階として、平成26年度にC57BL/6マウスにおける骨軟骨損傷モデルの開発と、その組織学的・分子生物学的評価を行った。生後3週・4週マウスにおいては良好な骨軟骨修復が得られる一方で、生後8週齢の成熟したマウスでは不十分な軟骨修復であった。幼若マウスにおける骨軟骨欠損は骨軟骨修復モデルとして有用であることが証明された。これらの研究成果は既に海外論文としてacceptされている(Matsuoka M, Onodera T et al., Tissue Eng Part C Methods. 2015)。 今年度は平成26年度に確立した軟骨損傷修復モデルを用いて、シンデカン‐4遺伝子の欠損マウスの骨軟骨損傷修復過程におけるフェノタイプの確認作業を行ったところ、驚くべきことにシンデカン‐4遺伝子欠損マウスでは、野生型マウスと比べて良好な組織修復を認めた。この結果は骨折治癒や皮膚損傷治癒におけるシンデカン‐4の役割と異なる作用機序による可能性が考えられる。次年度は、得られたフェノタイプが生じる機序に関して検討を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの第1段階であるC57BL/6マウス骨軟骨損傷モデルの開発成果が発表されており、第2段階であるシンデカン4欠損マウスにおけるフェノタイプの解析も順調に進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は今まで得られたフェノタイプの発生する機序を解明していく予定である。 具体的にはシンデカン4欠損マウスより得られた軟骨細胞・骨髄間葉系幹細胞の細胞増殖能・細胞遊走能・分化能などを解析していく。
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Causes of Carryover |
支払いが次年度に跨いでしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験用の試薬および機材の購入費用に使用した。
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