2015 Fiscal Year Research-status Report
肘関節鏡手術におけるAugmented Realityシミュレーションの開発
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26462262
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 美知郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (90528829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, チームリーダー (00261206)
俵 丈展 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, 研究員 (20415227)
平田 仁 名古屋大学, 予防早期医療創成センター, 教授 (80173243)
岩月 克之 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90635567)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 強化現実 / シミュレーション / 肘関節鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
今研究の目的は肘関節鏡ARを開発することである。ARを肘関節鏡に導入することで術中に術者は高精度virtual arthroscopyをreal timeで見ることができ、関節内から関節外の神経血管の位置まで確認可能となり神経血管損傷を予防でき、より安全な肘関節鏡手術が行えるようになる。 対象と方法 健常ボランティアの肘関節CTとMRIを撮影する。骨格の情報はCTから得て、末梢神経の情報はMRIから抽出した。理化学研究所が開発した画像解析ソフトVo Tracerを用いて、MRIデータから肘周囲の末梢神経のうち、正中神経・尺骨神経・橈骨神経の情報を抽出する。ファントムを皮膚表面に張り付けておく事で、CTデータから得られた肘関節骨格情報に末梢神経の情報を統合する際の精度を向上させる。DICOMデータから専用ソフトMimics software (Materialize, Leuven, Belgium)を用いてSTLデータに変換する。骨格と末梢神経のSTL情報から3Dプリンターを用いて実物大の実体モデルを作成する。3次元ポジショントラッカーであるMicronTracker3 (ClaroNov, Toronto, Canada) を用いて、肘関節鏡に装着した格子模様を追跡し、real timeでカメラの位置情報を追跡する。 結果 肘関節モデル内に挿入した肘関節鏡の画像に、予め入力しておいたSTLデータからの肘関節の骨格と末梢神経の情報を重畳表示することに成功した。位置及びサイズともに高い制度でのAugmented reality simulationが可能であった。重畳表示するデータの色を白から半透明に変更したところ、さらに元の現実の画像の視認性が向上した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常ボランティアのMRIデータから末梢神経の情報を抽出するのに特に時間を要した。やはり四肢の末梢神経の情報を増強するオプションを検討する必要がある。 得られたSTLデータから3Dプリンターを用いて作成した実態模型は非常に精巧に製作が可能であった。これを用いてAugmented realityシミュレーションが実際に行えうことができた。さらに精度も良く、実際の手術に使用可能なレベルであった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として、 ①現時点での精度検証を行う。この精度は用いているポジショントラッカーの性能に依存する。印象としては実臨床に用いても違和感ない高い性能と実感している。 ②猿の新鮮凍結屍体上肢を用いて実験を行う。猿の上肢のCTとMRIを撮影し、実験1と同様に骨格と末梢神経の情報を抽出し統合しDICOMデータをSTLデータに変換しておく作業までは既に行っている。研究協力者と予定を組み6月に猿新鮮凍結屍体を用いて肘関節Augmented reality simulationを行う予定である。ここで模型との差異を検証し、実臨床に向けた課題を抽出する。 得られた成果は特許申請後に学会発表を行い、その後に論文化する。
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Causes of Carryover |
既存の資料や手作りの機器を用いて物品費を節約したため次年度使用額が生じました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文作成、学会発表旅費に充足させます。
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