2015 Fiscal Year Research-status Report
成長因子固相化技術を応用した革新的骨軟骨移植法の確立
Project/Area Number |
26462277
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小沼 賢治 北里大学, 医学部, 講師 (80348557)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
齋藤 亘 北里大学, 医学部, 助教 (60439099)
井上 玄 北里大学, 医学部, 准教授 (80594209)
占部 憲 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 教授 (90284489)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 組織保存 / 同種移植 / 骨軟骨移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)至適成長因子アンカーリングのための浸漬時間の条件検討 ラットの大腿骨顆部から骨軟骨組織サンプルを採取した。Alexa Flour標識 basic fibroblast growth factor (bFGF) collagen binding domain (CBD)溶液(濃度0.29μM)を作製した。1容器に対し、骨軟骨組織サンプル1つとbFGF-CBD溶液1mlを入れ、0、15分、30分、60分、24時間浸漬し、組織固定した。フィルム法にて凍結切片を作製し、蛍光顕微鏡で発光強度を評価した。その結果、bFGF-CBDに浸漬しなかった0分の条件では、関節軟骨は発光しなかったが、15分から24時間の浸漬時間では同等に関節軟骨の表面の発光を確認した。このことから、bFGF-CBDを結合させるには少なくとの15分以上の浸漬が必要であることが確認された。 2)骨軟骨組織移植モデル作製と評価方法の確立 日本白色家兎を使用した。麻酔下に左膝関節大腿骨側より、今回開発した専用採取器で円柱形の骨軟骨組織を採取した。ポジティブコントロールの新鮮組織移植条件では、骨軟骨組織を採取した直後に、右膝にドリルで軟骨欠損を作製し骨軟骨組織を移植した。ネガティブコントロールの凍結組織移植条件では同様に骨軟骨組織を採取し、液体窒素で15分間凍結したものを自然解凍し、右膝軟骨欠損部に移植した。移植後4週間、8週間後に、移植部の組織を採取した。移植部肉眼観察および組織評価(HE染色およびサフラニンO染色)を行った。その結果、いずれの条件に於いても肉眼的に軟骨表面は修復され、組織形態やサフラニン染色性に明らかな差が認められなかった。凍結により死滅した組織を移植しても8週間程度の観察期間では、新鮮組織移植と凍結組織移植では、軟骨修復や変性の程度には差は認められないことが判明した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
26年度は移植モデルの作製に苦渋したが、27年度は家兎を用いた骨軟骨組織の採取から移植までの行程が可能となり、骨軟骨組織移植モデルを確立することができた。このため、進行状況はやや遅れているが、bFGF-CBD結合骨軟骨組織の作製と、bFGF-CBD結合骨軟骨組織移植が可能となり、今後移植後の評価を行っていく段階である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の研究で確立した家兎を用いた骨軟骨組織移植モデルを用いて、bFGF-CBD結合および非結合骨軟骨組織の移植実験を行い、移植後評価を、肉眼、μCT、組織学的手法等を用いて行う予定である。
|