2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 旬 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (00456112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30583108) [Withdrawn]
長村 登紀子 (井上登紀子) 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70240736)
竹谷 英之 東京大学, 医科学研究所, 講師 (90206996)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 血友病性関節症 / 血友病Bモデルマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度も引き続き、血友病Bモデルマウスの右膝を30G針で穿刺することにより関節内出血を惹起することにより血友病性関節症モデルを作成して解析を行った。穿刺をしない左膝をコントロールとして用いた。平成26年度は関節内で実際に炎症性サイトカインの発現が亢進していることを確認するため、TNF-α、IL-1β、IL-6に対する抗体を用いて膝関節の組織切片の免疫染色を行ったところ、肥厚した滑膜においてこれらの発現が著明に亢進していることが明らかとなったため、平成27年度は血友病モデル関節より滑膜組織を採取してRNAを抽出し、real-time PCRを行ってこれらの発現をmRNAレベルでも確認した。そうしたところ、これら炎症性サイトカインの発現はmRNAレベルにおいても亢進していることが明らかとなった。また、破骨細胞分化に必須の分子であるRANKLに対する免疫染色を行ったところ、こちらも滑膜において発現が亢進していることが確認された。こちらに関してもreal-time PCRを行うことにより、RANKL mRNAの発現が血友病性関節症モデルの滑膜において上昇していることが明らかとなった。現在、採取したRNAをDNAマイクロアレイに提出中である。また、抗IL-1α抗体や抗TNF-α抗体、抗RANKL抗体などを関節内や全身的に投与することによって血友病性関節症進行の抑制が得られるかどうかを検討する実験も進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ研究計画に沿った実験が行えているが、血友病性関節症モデルの手技確立や再現性の向上のために時間を費やしたため当初の計画のうち一部は検討出来ていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果により血友病性関節症モデルにおいて各種炎症性サイトカインや破骨細胞分化・活性化に重要なRANKLの発現が上昇していることが確認された。今後はこれらの作用を抑制するような薬剤による血友病性関節症の進行抑制を中心に検討を行い、新たな治療法の開発に繋げていく予定である。
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Causes of Carryover |
血友病性関節症モデルの手技確立や再現性の向上のために時間を費やしたため、治療薬剤の投与実験まで到達出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に行えなかった薬剤の投与実験などを、次年度に計画している実験と並行して行っていく。
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