2014 Fiscal Year Research-status Report
ロボットシステムによる半月板生体力学機能評価ー半月機能温存治療の新たな評価法ー
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26462293
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前 達雄 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10569734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 研 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00283747)
藤江 裕道 首都大学東京, システムデザイン学部, 教授 (20199300)
米谷 泰一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80642090)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 半月板 / 荷重 |
Outline of Annual Research Achievements |
膝関節における半月板の機能としては、荷重分散や衝撃吸収、潤滑および前方制動などが報告されており、重要な役割を担っている。 ところで半月板損傷はスポーツ障害や外傷において発生することが多く、半月板の縦断裂や横断裂は比較的頻度の高い損傷である。 損傷した半月板を放置すると、疼痛や水腫のみならず、変形性関節症性変化も生じるため、正確な診断および外科治療時期の判断が重要である。 今年度は、外側半月の横断裂による半月板機能低下を評価した。 評価方法は、生体関節力学試験用ロボットシステムを用い、ブタ膝の外側半月板中節に、33%、66%、および100%幅の断裂を順次作製し、それぞれの断裂幅時における半月板荷重を計測した。 結果として、33%および66%幅の断裂では正常と比べ、大きな荷重変化は見られなかったが、100%幅断裂にて、急激な半月板荷重の減少を認めた。 したがって、画像検査で診断困難な程度の小さな横断裂は、荷重変化を来さないので、臨床上大きな問題となることは少ないが、MRI画像にて診断ができる、外周縁に達するような横断裂は、半月板荷重が減少し、その減少分を関節軟骨が負担することになるので、早期の診断と治療が必要であることがわかった。 本研究より、半月板機能として、内縁を走行する線維よりは外周縁付近を走行する線維の方が重要であり、この部位の損傷に対して、確実な診断と治療が施されるようになれば、膝関節機能維持が図れるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半月板損傷および縫合術による、半月荷重の変化を計測することを目的とした研究である。 その中で、平成26年度は外側半月板の横断裂において、断裂幅の変化よる影響を調べた。 今回の結果は臨床的にも妥当性のある結果であり、本手法にて縫合術の評価や他の種類の断裂の評価が可能であることがわかり、評価方法の確立もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年に行なった、横断裂半月損傷に対して、縫合を施す事による荷重機能の改善の評価および半月板の縦断裂による荷重変化の影響を平成27年度に調べる予定である。
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Causes of Carryover |
学会発表の機会が今年度は少なかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度も引き続き、予定通り、研究を進行する予定である。
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Research Products
(1 results)