2014 Fiscal Year Research-status Report
血行動態に着目した肘離断性骨軟骨炎の病態解明と新治療法の開発
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26462300
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松浦 哲也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (30359913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東野 恒作 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80380129)
鈴江 直人 徳島大学, 大学病院, 講師 (50463485)
江西 哲也 徳島大学, 大学病院, 特任助教 (20467806)
合田 有一郎 徳島大学, 大学病院, 助教 (70581148)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 離断性骨軟骨炎 / 野球 / 血行 |
Outline of Annual Research Achievements |
10~12歳の少年野球選手1040名を対象にして、肘離断性骨軟骨炎の発生頻度を調査した。まず超音波検査を行い33名に障害が疑われた。疑われた全選手にX線検査を行い、22名に障害が確認され、発生頻度は2.1%であることがわかった。 肘離断性骨軟骨炎の病態には局所の血行動態が関与していると考え、未固定遺体上肢標本を用いて小頭への栄養血管の解剖学的研究を行った。Microfilという造影剤を腋窩動脈に注入、硬化したのちに小頭周囲の脈管系を剖出した。血管の状態が悪くない遺体では脈管の剖出は可能であった。小頭への栄養血管は後方から進入していた。近位からは中および橈側の側副動脈からの枝、遠位からは骨間反回動脈からの枝によりアーケードを形成して小頭の内側よりから進入していた。さらに小頭部分を切断し、軟部組織を除去してサリチル酸メチルに浸すことで骨を透明化し、髄内血行の観察も行った。造影剤が十分に浸透した骨内では髄内血行の観察が容易であったが、十分でない標本では観察が困難であった。 治療法として局所の血流改善を意図し、血管柄付き骨釘移植術の開発を未固定遺体上肢標本を使って検討した。血管は中および橈側の側副動脈が適当であり、骨釘は上腕骨外側の海綿骨を伴った皮質骨が候補になる可能性が示唆された。 局所の血行については、少年野球選手の小頭への栄養血管血流量を超音波ドプラを用いて測定した。本年度は肘離断性骨軟骨炎を有する選手のみ測定したが、比較的個人差があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書の初年度研究経過に記した内容について、ほぼ遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通りに2年目も遂行する。研究を遂行する上での課題点は、未固定遺体上肢標本を使っての実験で安定した結果を得ることであるが、実験条件が徐々に固まってきており遂行可能と考えている。
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Causes of Carryover |
未固定遺体上肢標本を使っての実験を当初は平成26年9月から開始する予定であったが、倫理委員会の審査等の影響で平成27年1月からの開始となったため使用額が当初よりも減じる結果となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した基金助成金とともに、特に未固定遺体上肢標本を用いての実験に対して使用したいと考えている。
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Research Products
(5 results)