2014 Fiscal Year Research-status Report
薬剤によるマクロファージオートファジー抑制による人工関節長期耐用研究
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26462306
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小宮 節郎 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30178371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬戸口 啓夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (40423727)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オートファジー / ポリエチレン摩耗 / 人工関節ルーズニング / 骨融解 |
Outline of Annual Research Achievements |
人工関節後の摩耗粉が生じる人工関節のルーズニングにオートファジーが関与しているか検討した。ポリエチレンの微粒をマクロファージ系細胞株に投与してオートファジー亢進作用を凝集蛋白p62, LC3-IIのwestern blot、ライソソームインヒビターを用いたautophagy fluxの評価した。摩耗粉によりオートファジーのマーカーであるLC3-IIは増加し、autophagy fluxでもオートファジーが活性化することが示された。またマクロファージ培養系にポリエチレン微粒を添加して、サイトカイン(IL-1, IL-6, TNF-alpha, RANKL)の発現を検討したところ、ポリエチレン添加でRT-PCRやELISA assayでRANKLの発現が亢進することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポリエチレンの微粒によりオートファジーが亢進していることを明らかとした。さらにポリエチレン微粒により破骨細胞の分化を誘導するサイトカインの発現が上昇していることも明らかとした。in vitroの系が確立したのでそのメカニズムの解析が行える状況となり、さらなる進捗が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージ培養系にポリエチレン・金属・セラミック摩耗粉を添加しつつ、ベルテポル、クロロキンを投与して、サイトカイン(IL-1, IL-6, TNF-alpha, RANKLなど)の発現を薬剤投与群とコントロール群でRT-PCRやELISA assayで比較検討する。破骨細胞前駆細胞とマクロファージの共培養系にポリエチレン・金属・セラミック摩耗粉を添加しつつ、破骨細胞の分化を酒石酸ホスファターゼ染色で検討する。骨基質融解能はpit formation assayで評価する。破骨細胞前駆細胞とマクロファージの共培養系にポリエチレン・金属・セラミック摩耗粉を添加しつつ、ベルテポル、クロロキンを投与して、破骨細胞の分化を酒石酸ホスファターゼ染色で検討する。骨基質融解能はpit formation assayで評価する。研究が当初計画どおりに進まない時の対応)摩耗粉の材質や大きさによるマクロファージの活性化の違いを検討すること。fibroblastのオートファジーやfibroblastとマクロファージの共培養。ユビキチンプロテアソーム系のタンパク分解経路活性化とサイトカイン産生。これらの組み合わせを検討することにより遂行可能と判断している。
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Causes of Carryover |
ポリエチレンの微粒の入手が困難で、in vitroの実験系の確立に時間を要した。またスクリーニングの初期に破骨細胞の分化に重要な因子であるRANKLがポリエチレン微粒により発現上昇することがわかり、ELISA assayやwestern blot, 免疫染色など高額の試薬が必要な研究は後回しにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
In vitroの実験系が確立したのでELISA assayやwestern blot, 免疫染色など高額の試薬が必要な研究を並列で行い、相加的な効果の検討や動物実験系の確立に使用する。
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