2015 Fiscal Year Research-status Report
骨粗鬆症における骨組織内の骨代謝/疼痛関連分子の発現変化と疼痛発生機序の解明
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26462308
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
射場 浩介 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (60363686)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 尾部吊り下げモデル / 局所性骨粗鬆化 / 疼痛行動 / 酸性環境 / 破骨細胞 / 再荷重 / ビスホスホネート |
Outline of Annual Research Achievements |
尾部懸垂マウスを用いて局所性骨粗鬆化モデルを樹立し、OVXマウスと同様に、その疼痛発生メカニズムを検討した。尾部懸垂群では後肢を2週間懸垂したのち、再荷重を行った。尾部懸垂群と対照群、尾部懸垂群に骨吸収抑制薬ビスホスホネート(BP)(アレンドロネート0.2μg/kg/day)を投与した群で、尾部懸垂前後と再荷重後に、骨量評価として脛骨μCTの骨形態計測と、骨代謝評価として大腿骨の骨吸収マーカー(TRAP-5b)と破骨細胞数の計測を行い、また1週毎に疼痛行動学評価(von Frey test、Paw flick test)を行った。さらに尾部懸垂群に対しては、尾部懸垂直後に酸受容体TRPV1の拮抗薬(SB366791,1mg/kg)、またはASIC3の拮抗薬(APETx2, 2.2μM)を投与し、疼痛行動学的評価を行った。 尾部懸垂群の下肢骨は対照群と比較して骨量の有意な低下、TRAP-5bと破骨細胞数の有意な増加を認め、骨吸収亢進に伴う局所性骨粗鬆化を呈した。これらの変化は再荷重により、対照群と同等まで改善した。また、尾部懸垂群は対照群と比較して疼痛行動の有意な増加を認めた、再荷重開始により経時的に改善した。これらの疼痛行動の変化は局所性骨粗鬆化の変化と関連していた。さらに酸受容体拮抗薬で疼痛行動は有意に改善した。一方、BP投与で、尾部懸垂による骨粗鬆化を予防したマウスでは疼痛行動の増加を認めなかった。 以上の結果より、局所性骨粗鬆化を呈した尾部懸垂マウスでは、OVXマウスと同様に骨吸収亢進状態に伴う酸性環境形成が疼痛発生に関与していると考えられた。また、局所性骨粗鬆化の再荷重による改善やBP投与による予防が疼痛行動改善に有効であった。このことは、運動器の難治性疼痛疾患では局所性骨粗鬆化の改善に着目した治療が、有用な治療法の一つとなる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果を2つの英語論文として発表したこと、尾部懸垂モデルマウスの実験系でのデータが順調に出ていることより 当初の研究目標をほぼ達成できていると考える
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの得られた尾部吊り下げモデルを用いた研究成果を、英語論文としてまとめて発表する。また、尾部吊り下げモデルにおいてもOVXマウスモデルと同様に、骨組織にTRPV1, ASICs、P2X受容体が発現しているか、これらの受容体拮抗薬が骨代謝調節作用を有し、骨密度の変化に影響を与えるかについて検討を進める予定である
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Causes of Carryover |
「尾部懸垂モデルマウスを用いた局所性骨粗鬆化と疼痛発生メカニズム」について論文を作成するための費用、尾部懸垂モデルマウスの骨組織における酸受容体発現とその骨代謝調節作用については現在も研究継続中であり、研究を行う上での消耗品購入や学会発表や論文作成を行う上で必要な旅費や事務用品購入に必要となる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
継続中の研究のための物品費、学会発表や論文作成のための旅費、事務用品費、印刷その他の諸費用に使用予定である。
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Research Products
(6 results)