2014 Fiscal Year Research-status Report
MRI画像解析に基づく計算機支援による定量的なACL再建術最適化
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26462315
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小橋 昌司 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00332966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉矢 晋一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00201070)
中山 寛 兵庫医科大学, 医学部, その他 (20461056)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 計算機整形外科手術支援 / 前十字靭帯 / MRI画像解析 / コンピュータ手術支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
前十字靭帯(ACL)再建術の従前計画支援システム,術中手術支援システムの構築を目的に,本年度ではACL付着部位部位の推定法,ACL骨孔角度に対する体内組織の3次元関係の可視化法を提案した.また各提案法を評価するため,3例のACL損傷膝に適用した. ACL付着部位部位を推定する方法として,術前MRI(核磁気共鳴)画像を用いた手法を提案した.同手法では,MRI断層画像より手動抽出した骨領域を用いてボリュームレンダリングすることで,単純X線画像(通称レントゲン)の擬似画像を生成する.擬似画像を作成する投影方向は,大たい骨内顆,外顆の後方および下方境界が一致する角度とする.生成した擬似画像において骨3次元形状の評価基準であるBlumensaat線が認識可能であることを確認した.次に,術後のACL骨孔位置評価に用いられている単純X線画像におけるQuadrant評価法を,3次元MRI画像に拡張することで,統計的にACL付着部位の3次元位置を推定する手法を提案した.手術においては,同ACL付着部位が関節内骨孔位置となる. 次に,膝周囲の血管,靭帯,筋肉を手動抽出し,ACL付着部位の3次元位置を原点とした回転座標系に写像変換することで,ACL骨孔ドリルの3次元角度に対して周囲軟部組織の存在有無を可視化する手法を提案した.これにより,ドリル角度に対して,軟部組織を損傷する危険性を評価でき,術者は危険性を減少するドリル角度を術前に決定できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画においては,当該年度において,MRI画像を用いたQuadrant法に基づく評価法が可能であるかを検討するのみであったが,それがほぼ達成され,さらに骨孔角度評価の可能性についても検討が行えた.これにより本研究が提案する手術支援システムについて実現性が極めて高くなり,さらに術中評価システムについても検討可能なレベルに達したため.
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Strategy for Future Research Activity |
術中評価システムとして,皮膚上から靭帯,血管,筋肉などの軟部組織を体内透視する仮想現実(AR)システムを試作する.また,骨領域や膝周囲軟部組織の自動領域抽出法を検討することで,より簡便な手術術前計画,コンピュータ手術支援システムの構築を検討する.さらに,同システムの利用により,臨床的に有意な改善が見られるかについても呼び検討を行う.
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Causes of Carryover |
当該年度において購入予定であった仮想現実システム実装のためのソフトウェア一式を,次年度に実施するように研究順序を変更したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
仮想現実システム実装のためのソフトウェア一式を購入する
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