2015 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体の血管反応性における役割と麻酔薬の影響
Project/Area Number |
26462345
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
角谷 哲也 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00264896)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペルオキシソーム / 糖尿病 / 高血圧 / アンギオテンシン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:近年、メタボリックシンドロームという概念の普及に伴い、糖尿病や肥満・高脂血症など様々な疾患と関連するペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)が注目されている。PPARは血管内皮細胞や平滑筋細胞においても発現しており、心血管リモデリングの調節にも重要であることが最近では明らかにされている。今回、われわれは実際の血管反応におけるPPARの役割と麻酔薬の修飾作用を明らかにすることで、高血圧患者や糖尿病患者の麻酔管理に寄与できると考えた。 平成27年度の研究結果:①実験動物の確立:Sprague-Dawley rat、SHR rat、OLETF ratを用いてハロタン麻酔下に大動脈を摘出し、幅約5mmの内皮存在・非存在リング状標本を作成した。これらの血管標本をKrebs Ringer液中で至適張力を負荷して懸垂し、各種血管収縮薬(フェニレフリン、ノルエピネフリン、アンギオテンシンⅡ)を投与して血管平滑筋の収縮反応および血管拡張薬(アセチルコリン、ニトログリセリン)による弛緩反応を観察した。結果、高血圧ラットでは、血管収縮反応が有意に低下していることが確認された。麻酔薬の影響に関しては、イソフルランとセボフルランにより、血管反応における差異が認められた。②実験①と同様に、柵状標本を作成した。これをカルシウム蛍光色素Frra2/AMで暴露した後、等尺性張力変化と細胞内カルシウムイオン濃度の測定を行った。揮発性麻酔薬の細胞内カルシウムイオン濃度ー血管張力関係に及ぼす作用の相違と濃度依存性について検討中である。
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