2015 Fiscal Year Research-status Report
周術期ビッグデータを活用した体温管理の可視化と手術患者アウトカムの知識探索型分析
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26462355
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長瀬 清 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90345786)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビッグデータ / 体温 / AKI |
Outline of Annual Research Achievements |
周術期にAKIに陥る患者のリスクを評価するため、従来指摘されたいなかった術後体温上昇との関連について、過去10年間の患者データを解析した。一般に術後AKIは敗血症などのサイトカインへの曝露がそのリスク因子とされているものの、術前因子、術中因子、術後因子を定量的に比較する方法は難しく、また敗血症が重要な因子と疑われているが体温との関連も明らかにはされていなかった。解析では、術後クレアチニン値の予測式や術後AKIに陥る患者のリスク因子解析では、術前クレアチニン値が最も大きな予測因子であり、また標準偏回帰係数からも術後体温はほとんど関連がないことが示された。 一方、術中と術後の体温推移も過去10年以上の手術患者データから詳細に解析した。ASA、年齢、体重、麻酔方法、麻酔種別、年次推移、性別、予定・緊急手術の違いに着目し、これらの因子が術中および術後体温推移に及ぼす影響を調査した。つまり手術開始後の体温推移と手術終了後の体温推移をすべて抽出し、この相加平均を算出した。これは当院が開発したDBにより初めて詳らかにされる解析結果であり、過去にこれらの報告は不可能とされ可視化できなかった研究結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
解析結果は得られているものの、論文作成に時間がかかっているため。 新たな視点や切り口でデータ解析ができるように、臨床業務の標準化や最適化、DWHの再構築、新しい医療情報システム(クリニカルフロー)開発による医療の質向上への支援、ケアプロセスの可視化とチーム医療推進支援などの取り組みも同時に行っている。これら一連の作業に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
学会発表だけでなく、論文作成に注力する。
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Causes of Carryover |
27年度に海外での報告を予定していたが、28年度まで総括を行う。この最終年次で海外報告をするため、27年度の必要経費が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度に海外報告を行うため、その費用にあてる予定である
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