2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of superoxide in pulmonary hypertension and treatment with xanthine oxidase inhibition
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26462357
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
横地 歩 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60359768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 一男 三重大学, 医学系研究科, 教授 (20181828)
澤田 博文 三重大学, 医学系研究科, 講師 (30362354)
張 尓泉 三重大学, 医学系研究科, 助教 (30456727)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / Febuxostat / 一酸化窒素 / スーパーオキシド / キサンチンオキシダーゼ / モノクロタリン / 低酸素 / uncoupled NOS |
Outline of Annual Research Achievements |
2種類の確立された肺高血圧モデル(モノクロタリン誘発ラット肺高血圧モデル、低酸素暴露誘発ラット肺高血圧モデル)を用い、 キサンチンオキシダーゼ阻害剤であるフェブキソスタット(FBS)の効果を、過去2年間で、検討してきた。その結果、肺動脈圧(mPAP)と 右心室肥大(RVH)の項目について、両方の肺高血圧モデルで、ともに有意な肺高血圧抑制効果を認めなかった。 今年度は、両モデルの肺組織切片を作成し、2項目の肺高血圧血管病変の抑制効果について検証した。2項目とは、「本来血管平滑筋を持たないレベルの細い末梢肺動脈での筋性血管出現率」、及び、「小筋性動脈での中膜肥厚」の評価である。その結果、2種類両方の肺高血圧モデルにおいて、FBSは、有意な肺高血圧血管病変の抑制効果を、示さなかった。 一般に、肺高血圧をきたす疾患では、肺動脈血管での血管平滑筋の新生・増殖(肺高血圧血管病変)が発生する。培養細胞レベルでは、スーパーオキシドが、この増殖を促進する。 本研究での仮説は、「スーパーオキシドが産生されると、NOと反応することで、ペルオキシナイトライトが発生し、その結果、un coupled NOSが増加し、さらにスーパーオキシドの産生が高まり、結果として肺高血圧の発生が、より促進される」というものである。我々は、最初の スーパーオキシド産生を抑制すれば、NOSのuncoupling現象が抑制され、肺高血圧発症も抑制されるのではないかと考えた。 そこで、スーパーオキシド産生を抑制する方法として、スーパーオキシドの産生源であるキサンチンオキシダーゼの阻害作用をもつFBSを採用し、その肺高血圧抑制効果を検討した。今回の我々の実験条件においては、FBSによる、肺高血圧発生抑制効果は、認められなかった。キサン チンオキシダーゼの活性は、肺高血圧の発生に関係していないと推察される。
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