2015 Fiscal Year Research-status Report
再生医療における血管新生に及ぼす血管プレコンディショニング効果の検討
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26462360
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
川人 伸次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任教授 (60284296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畑 洋 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (60161486)
松久 宗英 徳島大学, 糖尿病臨床・研究開発センター, 特任教授 (60362737)
高石 和美 徳島大学, 大学病院, 講師 (20325286)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 周術期管理学 / 再生医療 / 血管新生 / プレコンディショニング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の分子生物学や分子発生学などの生命科学の進歩により、組織の発生が解明されるようになり、障害された臓器の再生が実現可能になりつつある。とりわけ血管新生は、再生医学の分野で大きな進歩を遂げ、臨床応用の段階に至った再生医療の一つである。本研究の目的は、再生医療における血管新生が周術期の血管プレコンディショニング(低酸素プレコンディショニングとリモートプレコンディショニング)に影響されるかどうかを基礎研究(in vitro & in vivo)と臨床研究を組み合わせ、様々な角度から検討することである。 本年度は臨床研究を行った。研究内容を説明し同意の得られた成人予定手術患者を対象とした。血流遮断を伴わない下腹部手術患者を対象とするコントロール群と腹部大動脈瘤手術、人工膝関節置換術等を対象とする血流遮断群で検討した。麻酔前投薬は投与せず、プロポフォール、レミフェンタニルにて麻酔導入、麻酔維持は酸素・空気・セボフルランにて行った。気管挿管・人工呼吸下に管理し、筋弛緩薬は通常量使用した。モニターは通常手術に準じ、静脈ライン、動脈ラインを確保した。麻酔導入前に採血し、以後手術中は1時間毎に手術終了時まで採血した。血流遮断群は血流遮断前後の採血も行った。VEGF enzyme-linked immunosorbent assay kitでVEGFを測定した。各群における血中VEGF濃度を時間ごとにプロットし、ANOVAで統計処理した。 目標症例数にはまだ到達していないが、現時点ではコントロール群と血流遮断群での群間比較、また群内比較においても有意な差は認められていない。更に症例を重ねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はin vivo 実験を予定しており、ラット虚血(全身・上肢または下肢)モデルを作成し、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の変化を観察する計画であった。しかし、開始直後に動物実験装置の不調が認められた。修理・オーバーホールが必要となったため、実験内容を変更し、来年度に予定していた臨床研究を先に行うことにした。途中からの変更のため臨床研究の進行に若干の遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は臨床研究を継続すると共に、in vivo 実験を開始する。ラット虚血(全身・上肢または下肢)モデルを作成し、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の変化を観察する。 オスのWister系ラット(250-300 g)を吸入麻酔薬(セボフルラン)により麻酔導入・維持し、気管切開、人工呼吸管理下に大腿動静脈よりカニュレーションし、輸液ルート、動脈圧測定・採血用とする。コントロール群は通常の酸素投与下に正常酸素分圧(PaO2 80 mmHg以上)を12時間維持する。低酸素群は血行動態を記録しながら全身性の低酸素負荷(PaO2 50mmHg以下)または上肢・下肢60分の血流遮断を行い、12時間麻酔維持する。2時間毎に採血し、VEGF enzyme-linked immunosorbent assay kitを用いマイクロプレートリーダーでVEGFを測定する。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Role of transesophageal echocardiography during biventricular pacemaker implantation in children2015
Author(s)
Nami Kakuta, Shinji Kawahito, Naoji Mita, Tomohiro Soga, Toshiko Katayama, Kohei Fukuta, Hiroaki Kawano, Fumihiko Tada, Yasui M Tsutsumi, Katsuya Tanaka, Kazumi Takaishi, Hiroshi Kitahata
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Journal Title
Clin Pediatr Anesth
Volume: 21
Pages: 182-185
Peer Reviewed
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[Presentation] TEE研究の方法(成人)2015
Author(s)
川人伸次、北畑 洋
Organizer
日本心臓血管麻酔学会第20回学術集会
Place of Presentation
アクロス福岡(福岡県福岡市)
Year and Date
2015-10-09 – 2015-10-11
Invited
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