2016 Fiscal Year Annual Research Report
The analysis of plastic change in spinal dorsal after the peripheral nerve injury by the high-speed image analytical method
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26462378
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
馬場 洋 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00262436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 直士 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70181419) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脊髄後角 / 神経障害性疼痛 / 糖尿病性ニューロパチー / 可塑性変化 / Caイメージング / 脊髄スライス / プレガバリン / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度はストレプトゾトシンの腹腔内投与によって作成した糖尿病性神経障害性疼痛モデルラットの脊髄スライスを用いて、神経障害性疼痛の治療薬であるプレガバリンが脊髄後角レベルで糖尿病性神経障害性疼痛に対して鎮痛作用があるかどうかCa2+イメージング法を用いて検討した。 糖尿病性神経障害性疼痛モデルラットではストレプトゾトシン投与後、約2週間で後肢足底に対する逃避閾値が低下し、また、足をなめたり振り回したりする様な異常な疼痛行動が観察された。このようなモデルラット及び正常ラットから脊髄スライスを作成し、プレガバリンの脊髄後角細胞の興奮性に対する急性作用を比較検討した。 臨床的に到達し得るプレガバリンの最大脊髄内濃度は1-2マイクロモル程度であるが、それを超える濃度である10及び100マイクロモルのプレガバリンは正常及びモデルラットの両方において後根刺激で誘発した脊髄後角細胞の興奮を減弱させることはできなかった。一方、臨床濃度の300倍の濃度である300マイクロモルのプレガバリンはわずかではあるが脊髄後角細胞の興奮を減弱させたが、その作用は正常とモデルラットで有意な差はなかった。 これまでプレガバリンは脊髄後角で興奮性伝達物質の放出を急性に減少させることにより脊髄後角細胞の興奮を減弱させて鎮痛作用を発揮すると信じられてきたが、それは臨床濃度を遙かに超える濃度で始めてみられる現象であり、少なくとも臨床で用いられる濃度ではそのような作用はないことが明らかとなった。この結果は、プレガバリンは内服後、8時間で最大脊髄内濃度に到達するにもかかわらず、鎮痛効果が発現してくるまで少なくとも数日かかるという臨床的観察にも一致している。
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