2016 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of D-serine on tolerance to the antinociceptive effects of morphine
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26462385
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 健二 東海大学, 医学部, 准教授 (10317779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 正信 東海大学, 医学部, 准教授 (90276791)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モルヒネ / 鎮痛耐性 / Dセリン |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果(1) ダイノルフィンA (1-17)ならびにダイノルフィン変換酵素活性がモルヒネの鎮痛耐性の形成に重要な役割を果たしていることが知られている。また、ダイノルフィン A (1-17)のN末端領域はオピオイド受容体に、C末端領域はNMDA受容体に親和性を有することが知られている。そこで、ダイノルフィンA(1-17)に対する各種ペプチダーゼの鎮痛効果、神経毒性について検討した。ラット髄腔内に1nmolを越える用量(3-10 nmol)のダイノルフィン A (1-17)を投与するとhyperalgegiaおよびアロディニアを生じた。ダイノルフィン A (1-17)と3種ペプチダーゼ(アマスタチン、カプトプリル、フォスフォラミドン)混合物を併用投与すると鎮痛効果が亢進するが、神経毒性は変化がなかった。一方、ダイノルフィン変換酵素阻害剤を併用すると神経毒性が亢進した。ラット脳膜標本にダイノルフィン A (1-17)と3種ペプチダーゼを加えて質量分析解析を行った結果、ダイノルフィン変換酵素により生じる[Leu5]enkephalin-Arg-Argが検出された。しかし、そのC末端側の産物は検出されなかった。すなわち、3種ペプチダーゼ(アマスタチン、カプトプリル、フォスフォラミドン)はダイノルフィン A (1-17)のC末端領域の分解には阻害作用を有しないことが明らかとなった。 研究成果(2)AMPA受容体拮抗薬YM872をラット脳内投与すると鎮痛効果を示した。また、YM872をラット脳内投与するとNMDA受容体グリシン結合部位内在性アゴニストのD-セリンの鎮痛効果を増強した。すなわち、AMPA受容体とNMDA受容体は脳内において鎮痛作用に対し異なる機能を有することが示唆された。
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Research Products
(2 results)