2014 Fiscal Year Research-status Report
ヒト腎癌細胞のiPS化における細胞記憶に着目した新規治療標的分子の探索
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26462400
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
出射 真奈 東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (00639213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱川 慶一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (50255460)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医学 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは文部科学省再生医療の実現化プロジェクト(東大iPS拠点事業)において、種々のヒト細胞からiPS細胞を樹立し、包括的な解析を行ってきた。最近正常細胞から樹立したiPS細胞には、樹立前の細胞記憶が残され、分化誘導能の違いが報告されているが、申請者らは同プロジェクトにおいて、ヒト腎臓細胞ガン株OS-RC2から樹立したiPS細胞にはガン細胞特異的細胞記憶が残され、一定の培養環境下で、再度ガン化する事を突き止めた。iPS細胞に残された細胞記憶とは、細胞の本質を規定する遺伝子と言え、ガンiPS細胞における細胞記憶を司る遺伝子こそ、最も有望なガン治療標的分子と考えられる。本研究においては、ヒト腎癌細胞のiPS化前後のメチル化プロファイル変化から、ヒト腎癌iPS細胞における細胞記憶を担う遺伝子群を同定し、ヒト腎癌に対する新規治療標的分子を絞り込む。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト腎癌由来iPS細胞の樹立に関しては、理研より供与されるヒト腎癌細胞10種類を用い(ACHN, OS-RC-2, Caki-1, FU-RPNT-2, RCC10RGB, TUHR10TKB, TUHR14TKB, TUHR3TKB, TUHR4TKB、VMRC-RCW)、10個から20個の新しいiPS細胞クローンを樹立する。iPS化はPlate E法を用いるが、効率が悪い場合、293GPG細胞株を使用し、樹立は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒト腎癌由来iPS細胞の包括的遺伝子発現解析を進めて行くが、未分化マーカーの発現確認のみでは初期化評価は不十分であり、包括的遺伝子発現により評価を行う。申請者はiPS拠点事業において、ヒトES細胞(KhES-1,2,3)および京大山中研究室で樹立されたiPS(201B7)が非常に近いマイクロアレイプロファイルを示す事を確認しており、新規に樹立したiPS細胞とこれらの遺伝子発現を比較することにより、初期化を検証する。マイクロアレイ解析は連携研究者小川との共同研究により実施する。
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Causes of Carryover |
iPS細胞の樹立が順調であった為、消耗品購入が予想よりも少なかった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度にはiPS細胞の解析を予定しており、人件費が増大すると思われ、未使用分を充当する。
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