2014 Fiscal Year Research-status Report
膀胱癌におけるヘムオキシゲナーゼ1の役割の解明と発現誘導による制癌効果の検討
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26462414
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
井上 啓史 高知大学, 教育研究部医療学系, 准教授 (00294827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
執印 太郎 高知大学, 教育研究部医療学系, 教授 (70128601)
小倉 俊一郎 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (90343160)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ1(HO-1) / アミノレブリン酸(ALA) / 抗腫瘍効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、膀胱癌に対する術中診断法として、光感受性物質であるアミノレブリン酸(ALA)を用いた光線力学診断(PDD)が実施されている。これはALAを投与した後に腫瘍特異的に蓄積するポルフィリンの蛍光により癌を診断する手法である。この診断の根幹であるALA投与後のポルフィリン蓄積に関して、鉄ポルフィリンを分解する酵素であり、ストレス応答タンパク質として知られるこのヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)が、腫瘍特異的に飛躍的に亢進していることが明らかとなった(Hagiya et al., Photodiagnosis and Photodynamic therapy 10, 288-95, 2013)。そこで、本研究ではストレス応答タンパク質として知られるこのHO-1の腫瘍での役割を詳細に検討する。 本年度は培養細胞を用いて腫瘍におけるHO-1の役割を詳細に検討した。その結果、ALA投与後の膀胱がん検体では正常上皮と比較してHO-1遺伝子の発現が約3倍と飛躍的に亢進していることが明らかとなった。さらに興味深いことに、悪性度の高い上皮内癌(CIS)においては正常と比較して約4倍の発現量を有することが明らかとなった。これは網羅的に測定した遺伝子の中でも最も顕著な変動であり、HO-1に着目する本研究の妥当性を裏付ける結果となった。さらに、HO-1が亢進したことによって変動すると考えられる遺伝子の発現量を調べた。その結果、p21、phosphoRbなどの顕著な亢進が確認できた。これらのことからHO-1の腫瘍に及ぼす影響は大きいと言える。特にp21やphosphoRbは腫瘍の制御において重要な遺伝子であるため、本研究の波及効果の大きさを示すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ALAを投与した後のHO-1の発現量変化とそれに付随した遺伝子群の発現更新を調べる予定であった。その結果、予備実験と同様にHO-1の大きな遺伝子亢進が確認された。さらに腫瘍形成・腫瘍増殖に深くかかわりのある遺伝子の発現量をコントロールすることができ、腫瘍におけるHO-1の役割の理解が多いに深まったと言える。そのため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までで、HO-1の腫瘍における役割がある程度理解できたと言える。また、HO-1はALAによって発現誘導が起きることが分かっているので、実際のマウス腫瘍における発現誘導とそれに付随する遺伝子変化を詳細に調べて行く予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は培養細胞におけるHO-1の役割を重点的に調べた。これは当初想定している遺伝子群よりはるかに多くの遺伝子が変動していることが明らかとなってきている。この遺伝子を調べることは今後の研究に大きな影響を与えると考えられるため、培養細胞レベルの実験を重点的に行った。そのため当初予定した金額より安価で実験を行うことができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由の結果、平成26年度実施予定であった動物実験など、培養細胞レベル実験以外の実験は、平成27年度の予算での使用となった。
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Research Products
(3 results)