2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the pathological role of HO-1 in kidney cancer cells and cancer interstitial tissue and construction of new therapeutic strategies
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26462415
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松尾 朋博 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60622024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 保志 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40404256)
宮田 康好 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (60380888)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腎細胞癌 / 表在性膀胱癌 / HO-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回我々は腎細胞癌の癌間質におけるHO-1の病理学的な役割の解析を進めていたが最終的に期間内に腎細胞癌とHO-1の関連についてを明らかにすることはできなかった。しかしながら研究の過程でヒトにおける表在性膀胱癌に関して、HO-1の発現に病理学的な特徴があることを見出した。この研究ではヒトの表在性膀胱癌患者147名を対象とし、経尿道的膀胱腫瘍切除術で得られた標本より免疫組織染色および各種統計学的手法を用い、HO-1の発現が表在性膀胱癌における再発、転移、生存に影響するのか否かを検討するものであった。この研究では以下の結果が得られた。すなわちHO-1はヒトの表在性膀胱癌において、low gradeと比較しhigh gradeに、またTa病変と比較しT1病変に多く発現しており、細胞増殖、さらにはリンパ管増生に影響していた。またCOX-2の発現にも関連していた。カプイランマイヤー生存曲線においてもHO-1の発現が強い患者では疾病特異的生存率および無転移生存率は悪かった。多変量解析においてもHO-1の発現は疾病特異的生存率に関連するとの見解が得られた。今回の検討では血管内皮増殖因子(VEGF-A,C,D)に関してはHO-1の有意な発現はなかった。また、膀胱癌の再発や尿管再発におけるリスク因子とはなってはいなかったもののHO-1の発現が表在性膀胱癌における治療のターゲットになる可能性を示唆するものであった。
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Research Products
(2 results)