2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of intercellular signaling mechanism from urinary bladder epithelium to detrusor / DRG in stretching stimulation
Project/Area Number |
26462437
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
望月 勉 山梨大学, 総合研究部, 医学研究員 (50377496)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 排尿生理 / 求心性伝達 / 膀胱上皮 / 膀胱排尿筋 / DRG |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果としてマウス膀胱上皮細胞は伸展刺激に応答しATP放出を行うことが証明された。我々は「蓄尿時の膀胱伸展→膀胱上皮が伸展刺激を感知→ATPなどのmediatorを放出→求心性神経や排尿筋にシグナル伝達」という仮説を立てて、尿意のメカニズムや排尿筋過活動の病態解明に向け分子レベルで研究を行ってきた。 1.マウスから膀胱上皮細胞・平滑筋細胞・DRG細胞をそれぞれ酵素処理にて単離し、各々培養細胞系として樹立。膀胱上皮細胞及びDRG細胞は初代培養細胞のみをその都度作成。膀胱平滑筋細胞については継代が可能なためcell lineとして使用した。 2.各種培養細胞に対し形態的ならびに機能的な発現に問題がないか否かを遺伝子レベルやタンパクレベルで再確認した。 3.ストレッチチャンバー上で膀胱上皮細胞を播種させ、伸展刺激後のチャンバー内solutionに含まれる物質についてHPLCで成分分析を行った。 4.培養細胞間のシグナル伝達について、パッチクランプやカルシウムイメージングを用いそれぞれの伝達物質の関与を調べた。(結果)膀胱上皮から放出される伝達物質のうちATPはDRGや平滑筋に対し促進的に作用することが判明した。一方NOやAchは逆に抑制的に働くことが証明された。以上より、蓄尿時には膀胱伸展に伴い様々な伝達物質が放出されることが分かり、これらのシグナル伝達系の異常により過活動膀胱膀胱などの病態が引き起こされる一因となりうることが推測される。
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