2014 Fiscal Year Research-status Report
男性不妊における酸化ストレスの意義と新しい治療法の探求
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26462459
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
千葉 公嗣 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40533766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 正人 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30243314)
松下 経 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20595699)
江夏 徳寿 神戸大学, 医学部附属病院, その他 (30622550)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 精巣機能障害 / 運動負荷法 / ヒートショック法 |
Outline of Annual Research Achievements |
8週齢のSDラットを用いてトレッドミルエクササイズにて強制的に運動負荷をかけたモデルを用いて、精子濃度、運動率、正常形態率の検討を行った。続いて酸化ストレスマーカーとしてHEL、8-OHdGをELISA法にて測定した。さらに、精巣組織あたりのSOD活性をWST法にて測定した。ここまでの検討で、運動負荷群において、精子所見、酸化ストレスマーカー共にわずかな変化を認めたものの、個体差も大きく有意な差は認めなかった。このため、運動負荷試験は酸化ストレス誘発モデルとしては不適格であると判断された。より確実な酸化ストレスの誘発を行うため、ヒートショックモデルを用いることとした。全身麻酔下にラットの下半身を43℃の熱湯に15分浸し、ヒートショックを与えた。このモデルで同様の検討を行ったところ、精巣重量の低下と精子所見の悪化を認め、酸化ストレスマーカーも上昇を認めていたため、酸化ストレスモデルとしてより的確であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していた、トレッドミル法による運動負荷モデルでは、有意な酸化ストレスの誘発はできなかった。そのため、ヒートショック法を用いて研究をやり直しており、その分時間のロスがあった。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒートショック法により有意な精巣内酸化ストレスの誘発を確立できた。今後はより臨床に即した停留精巣モデルを用いて同様の検討を行っていく。さらに、治療への応用を視野に入れて、抗酸化物質の投与に伴う精巣内の変化について研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
酸化ストレス負荷モデルが確立していなかったため、現在までの研究は小規模な範囲で他の実験系でも使用する試薬などを共用して行ってきた。そのため、当初の予定より大幅に予算を節約することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、検体数を増やして同様の実験を行い、研究を加速させる予定である。それに伴い、ELISAキットやSODアッセイキットの購入が必要となる。次年度使用額はそれらの実験器具の増加分に充てる予定としている。
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