2014 Fiscal Year Research-status Report
逆行性遺伝学手法を用いた無精子症原因遺伝子群の解析
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26462469
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
千石 一雄 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30163124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 敏伸 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70360998)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 無精子症 / 男性不妊 / Sin 3A / Plk4 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト無精子症に関連する遺伝子群を同定し、精子形成メカニズムを解明することを目的にこれまで研究を重ね、減数分裂停止およびSertoli cell only syndomeによる無精子症に関連する多くの遺伝子異常を報告してきた。 本年度はクロマチン構造の認識に関与し、マウスでgerm cellに異常を誘起した際に無精子症の一型であるsertoli cell-only syndoromeを呈するSin 3A遺伝子に着目し、ヒト精子形成におけるSin3A遺伝子の役割を解明するため、80名の日本人セルトリセル症候群患者を対象に解析した。Coding regionのmutation analysisではヒトSCOS患者においてSiN3A遺伝子の異常は認められず、ヒト精子形成にSin3A遺伝子は関与しない結果が得られた。 現在、細胞分裂時の中心小体付複製に関与し、マウスでヘテロにmutationを持つ場合、Sin3a異常と同様にSCOSを呈する精子形成に関与するPLK4遺伝子に着目し、ヒトSCOS患者を対象にダイレクトシークエンス解析によるmutation analysis を検討中である。 これまで、日本人90名のSCOS患者の解析結果では、エクソン2、3、4が欠落し、セリンスレオニンキナーゼドメインおよびポロボックスドメインが欠如した異常を1名の患者に認めた。変異を認めるPlk4の機能解析を行ったところ、中心小体数の減少、核の形態異常を示唆する結果が得られており、さらに詳細な検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無精子症関連遺伝子と考えられるSin3AおよびPlk4遺伝子に関し、ヒトsertolli cell only syndrome患者の解析を進めており、一定の研究成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はPlk4遺伝子異常の機能解析を進めるとともに、ヒト無精子症患者(減数分裂停止・SCOS)から新たな精子形成に関与する遺伝子を同定し、機能解析をおこなう予定である。
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