2014 Fiscal Year Research-status Report
子宮筋腫の発生・進展に関与する分子の特定-in vivo筋腫形成モデルの確立-
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26462492
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
浅田 裕美 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (90526906)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子宮筋腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、子宮筋腫の予防や進行を抑制する新規薬剤の開発を目的として、in vivo筋腫形成モデルを確立し、子宮筋腫の発生・進展に関与する分子を特定する。 DNAメチル化変異により子宮筋腫において発現異常が生じている遺伝子を120個選出した。これらの遺伝子よりOntology解析などを用いて子宮筋腫の発生・進展に関与している可能性のある遺伝子として、癌の増殖と転移に関与するIRS1、アポトー シスに関連するGSTM5、細胞外マトリックスの構成成分であるコラーゲンファミリー分子COL4A1、COL4A2およびCOL6A3等を抽出した。これらの遺伝子の発現が、子宮筋腫で高発現ならば対象遺伝子のORFを組み込んだ発現ベクター、低発現であれば対象遺伝子に対するsiRNAを産生するshRNA発現ベクターを作製し、初代培養ヒト子宮平滑筋細胞にヒトTERT遺伝子を導入した細胞株に導入する。この細胞株を卵巣除去した雌ヌードマウスの一方の腎被膜下に移植し、細胞の増殖を促進するため恒常的にエストロゲンを分泌するビーズを皮下に移植する。移植した細胞塊の生着と腫瘤化は、in vivoイメージングシステムを使用し、随時モニタリングを行う。 最終的には、本研究で確立したin vivo筋腫形成モデルを用いて筋腫化に関与する分子を標的として、企業などが所有する薬剤候補ライブラリーから細胞培養およびin vivo筋腫形成モデルを用い、筋腫化を阻害する薬剤を網羅的に抽出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
導入する遺伝子は既に抽出しており、遺伝子のベクターへの導入手技も確立している。導入条件の検討を重ねることによって予定通りのペースで研究を進められる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株への遺伝子導入での筋腫様腫瘤の作成が困難であれば、増殖能欠損型レンチウイルスベクター用プラスミドに挿入することで対応する。
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Causes of Carryover |
抽出された遺伝子の発現を変化させた培養細胞をマウス腎被膜下に移植する方法、あるいは改変遺伝子を導入したレンチウイルスベクターを直接マウス子宮筋に感染させる方法を用いて、in vivoで筋腫様腫瘤を作成する過程で、遺伝子の組み合わせや遺伝子導入の条件設定などが必要で、ベクターやマウスの使用量が増えることが予想されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
遺伝子導入の条件設定のための試薬、ベクター、マウスを購入し、適切に使用する。
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