2014 Fiscal Year Research-status Report
羊水特異マーカーSCCを用いた母体への羊水流入の影響に関して
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26462497
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大井 豪一 近畿大学, 医学部附属病院, 教授 (10283368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 奈月 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20526785)
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
岩井 加奈 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60588531)
成瀬 勝彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70453165)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | SCC / 分娩時総出血量 / 頸管裂傷 / FDP-Dダイマー / 弛緩出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、正常分娩と帝王切開における分娩前後の下記項目に関して統計学的解析を施行した。 経腟分娩174症例:陣痛発来時と分娩直後、分娩3日目の母体血中SCC値はそれぞれ1.8±1.5、4.8.±2.5、1.8±1.5ng/mlで、分娩直後の値は、Mann-Whitney U 検定を用いて解析した結果、陣痛発来時と分娩3日目に比し有意に高値となった。しかし、FDP-Dダイマー値は、それぞれ4.2±6.1、4.1±1.6、3.9±1.8ng/ml、STN値は17.1±6.14、15.6±5.2、15.8±1.7ng/mlと、有意差はなかった。頸管裂傷症例では分娩直後のSCC値が有意に高く、(4.9±2.8 ng/ml VS 4.2±2.0 ng/ml)分娩前後におけるFDP-Dダイマー上昇率も有意に高かった。また、弛緩出血症例の分娩直後のSCC値は5.6±2.1ng/mlと正常症例の4.1±2.8ng/mlに比し有意に高かった。 帝王切開54症例:手術前、手術直後、術後3日目のSCC値、FDP-Dダイマー値、STN値はいずれも有意差はなかった。 以上の結果より、正常経腟分娩時の特に頸管裂傷例において、羊水が母体血中へより多く流入している可能性が示唆された。また、羊水が多く流入した症例(SCC値が高値)における、FDP-Dダイマーの値が高値となるため、羊水流入により凝固が促進され、弛緩出血を来す可能性の示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SCCと分娩時出血量の関係は順調に進んでいるが、もう一つのIL-13に関しては、本年度実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギーを惹起させる可能性があるIL-13値の正常妊婦分娩周辺期における推移を、分娩前・分娩直後・産褥3日目のこれらの値から正確に把握する。 SCC値と同様にIL-13値が、分娩時総出血量に影響を及ぼすかを統計学的手法を用いて検討する。 分娩直後のTh2細胞有意性と母体出血量との関連性を、Th2細胞の活性を反映しているIgEと好酸球数を測定することにより明らかにする。
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Causes of Carryover |
IL-13測定を本年度実施しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
IL-13測定を既存の検体に関して実施する(228例)
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Research Products
(3 results)