2014 Fiscal Year Annual Research Report
HPV癌蛋白E6のsiRNA内包ナノミセル型DDSによる子宮頸癌治療薬開発
Project/Area Number |
26462514
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10466758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | HPV / 子宮頸がん / ドラッグデリバリーシステム / siRNA / 高分子ナノミセル |
Outline of Annual Research Achievements |
in vivoで効率的にE6の発現を抑制し、腫瘍増殖抑制効果をしめすsiRNAの設定と、それを用いた効率的なDDSである高分子ミセル製剤の作成に成功した。このsiRNA/mはHPVの型特異的に、有意な抗腫瘍効果を示すことをマウスを用いたiv vivoの系で実証し得た。siRNA/mは全身投与によっても目的通りHPVの癌蛋白であるE6の発現を抑制することにより抗腫瘍薬として奏効していることが示された。またマウスに明らかな副作用も認めなかった。siRNA/mの生体内での組織移行性(標的指向性)をIVIS(生体イメージングシステム)にて調べたところsiRNA/mはは内包するsiRNAの種類によらず腫瘍に高集積を示した。さらに現在、マウスの子宮頸部にde novoで子宮頸癌を発生するモデル(K14-HPV16トランスジェニックマウス)を作成中である。マウスの皮下にエストロゲンパッチを埋め込むことで、持続的なエストロゲンが刺激となって16型E6/E7を恒常的に発現し、子宮頸癌の自然発癌と全く同じ経過をたどってde novoに発癌をする。現在トランスジェニックマウスの継代、ペレット埋め込みなどの手技に成功し、現在マウスに前癌病変が発生してきている。今後は通常の免疫機構を持つ生体に自然発生した子宮頸がんに対しても同様にE6siRNA/mが抗腫瘍効果を示すのかについて検討する予定である。
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