2014 Fiscal Year Research-status Report
乳癌細胞におけるエストロジェンの細胞増殖抑制作用の分子機構
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26462518
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石田 真帆 山梨大学, 総合研究部, 助教 (80362086)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エストロジェン / エストロジェン受容体 / MDA-MB-231 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌細胞株MDA-MB-231細胞にエストロジェン受容体(ER)を安定的に発現させたMDA-ER細胞株において、10 nMのエストロジェン(E2)を処置すると、24時間後には細胞増殖率が約50%抑制される。一方でMDA-ERの継代を重ねることで、このE2反応性が消失した細胞株をMDA-ER-増殖反応消失細胞とする。両細胞について、vehicle処置および10 nM E2処置4時間後のRNAを抽出し、外部委託によりGene Chip (Affymetrix)を用いてDNAマイクロアレイ解析を行った。マイクロアレイ解析のシグナル数値データを用いて、MDA-ER細胞においてE2処置により発現が2.0倍以上に促進される遺伝子および、0.5倍以下に抑制される遺伝子を抽出した。発現促進遺伝子に関しては、MDA-ER-増殖反応消失細胞におけるシグナル数値データと比較して、1.43倍以上に発現促進されている163の遺伝子を抽出した。発現抑制遺伝子に関しては、MDA-ER-増殖反応消失細胞におけるシグナル数値データと比較して、0.7倍以下に発現抑制されている124の遺伝子を抽出した。本実験において、遺伝的バックグラウンドは同一であるが、E2に対する増殖反応が異なる細胞を比較することで、関与する遺伝子候補の数を絞り込むことができた。今後さらに個々の遺伝子について関与の可能性を探るが、今回の解析で候補遺伝子を見いだせない場合には、マイクロアレイ解析シグナル数値データの発現変化の倍率を緩和することでさらに範囲を広げて探索を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マイクロアレイ解析に用いるtotal RNAの精製作業に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロアレイ解析により得られた、エストロジェンによる細胞増殖抑制作用に関与すると思われる候補遺伝子について、さらに絞り込み、その作用の解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
DNAマイクロアレイ解析が予定よりも低価格で行えたため。 実験の進行状況がやや遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
培養試薬・血清・培地、siRNA試薬、プラスミドなど消耗品費に使用する。
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Research Products
(3 results)