2015 Fiscal Year Research-status Report
乳癌細胞におけるエストロジェンの細胞増殖抑制作用の分子機構
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26462518
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
石田 真帆 山梨大学, 総合研究部, 助教 (80362086)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エストロジェン / エストロジェン受容体 / MDA-MB-231 / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度、MDA-ERとMDA-ER-増殖抑制反応消失細胞とを比較したGeneChip解析データを元に、E2の増殖抑制作用に関与する可能性があるとして絞り込んだ遺伝子候補について、siRNA投与時の細胞増殖率の変化について以下のように解析を行った。すなわち、1) MDA-ER細胞においてE2により発現促進される遺伝子については、増殖抑制に関わるものを候補遺伝子として、候補遺伝子のsiRNAを投与した場合にE2による増殖抑制作用が消失するかどうか、2) MDA-ER細胞においてE2により発現抑制される遺伝子については、増殖促進に関わるものを候補遺伝子として、候補遺伝子のsiRNA投与により、MDA-ER細胞の基礎増殖が抑制されるかどうかを検討した。1) については、IGFBP3、JAZF1、TOB1、RXRA、EGR1、INHBB、BAP1、BCL10、DUSP7、MAF、OSGIN1、PRDM6、SGSM3、VASN、APBB1、BIN1、STARD10について実験を行い、siRNAを投与してもE2による増殖抑制作用は消失しないことを確認した。2) については、FOXQ1、BCAR3、FOSL1、TNFAIP8、ENC1について実験を行い、FOXQ1、TNFAIP8、ENC1のsiRNAを投与してもMDA-ERの基礎増殖率は低下しないが、BCAR3とFOSL1 のsiRNA投与時においてのみ、MDA-ERの基礎増殖率が低下することを見出した。これらの結果は、E2による増殖抑制作用機構において、E2によるBCAR3やFOSL1遺伝子の発現低下が関与していることを示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
E2による増殖制御機構における候補遺伝子の関与について、siRNAを用いた遺伝子発現抑制実験は行ったが、候補遺伝子の過発現実験がまだ行えていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
E2による増殖制御機構における候補遺伝子の関与について、候補遺伝子を過発現させた場合での増殖反応を調べる実験を行い、候補遺伝子発現の抑制効果、促進効果の両面から検証していく。
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Causes of Carryover |
siRNA試薬の購入価格が予定よりも低価格であったため。 実験の進行状況がやや遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
培養試薬、血清、培地、プラスミド、細胞増殖率検出キットなどの消耗品費に使用する。
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