2016 Fiscal Year Research-status Report
新規網羅的スクリーニング法による卵巣癌薬剤耐性遺伝子の検索
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26462537
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
野村 弘行 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50327590)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 薬剤反応性 / 抗がん剤 / 卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、トランスポゾンを用いた新しい薬剤耐性遺伝子スクリーニング法を用いて、卵巣癌細胞株における薬剤耐性遺伝子の同定を試みることを目的とする。 第一段階として、卵巣癌の中で最も多くを占める代表的な組織型である漿液性腺癌を選択し、CMVプロモーターが挿入された細胞プールである、transposon tagged cellを作成した。 卵巣癌治療において治療薬剤として標準的に用いられるパクリタキセルとカルボプラチンを選択し、これを添加した培地のtransposon tagged cellより、薬剤耐性コロニーの作成を目指した。 次の段階として、卵巣癌のその他の代表的組織型である明細胞腺癌、類内膜腺癌、粘液性腺癌の細胞株に対し、上記と同様の手順のトランスポゾンシステムを用いて、transposon tagged cellの樹立を試みた。こちらについても同様に、パクリタキセルとカルボプラチンを添加した培地のtransposon tagged cellから薬剤耐性コロニーの作成を目指した。 また、卵巣癌治療においてセカンドライン以降に用いる各種薬剤や治療上有望とされている新規分子標的治療薬剤についても選定作業を行い、条件設定を試みた。 本年度の成果として、薬剤耐性遺伝子スクリーニングの実施のための薬剤耐性コロニーの作成と基礎的なデータを得ることができた。また実験系の条件設定につき、新たな検証を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
卵巣癌各種組織型由来の細胞株を用いたtransposon tagged cellの樹立に際し、導入効率が予想より低く安定した樹立が困難であった。そのため、抗がん剤添加培地による薬剤耐性遺伝子の選択作業への移行が遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、実験系の条件設定をあらたに検証していくことで作業の安定化を図り、当初の研究計画を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
本年度の研究計画の一部で、実験系の条件設定に時間を要したことから、進捗がやや遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度に予定していた研究計画を次年度に繰り下げて遂行する予定である。
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