2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26462540
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
藤井 多久磨 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (10218969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 卓 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30296652)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 子宮頸がん / パピローマウイルス / サイトカイン / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
①手術にて採取されたホルマリン固定パラフィン包埋切片(FFPE検体)を用い、DNAを抽出し、リアルタイムPCR 法(J Clin Virol 44,302,2009の変法)にて解析したところ、ハイリスクHPVの多重感染が観察された。実験によるコンタミネーションの可能性を考慮し、慶應義塾大学にてマイクロダイセクションにより病変部および健常部を特異的に切り出しを行い、国立感染研究所に検体を送付し、再度HPVのDNA検出実験を行った。FFPE特有のDNA断片化により通常のPCR法では判定が困難であることがわかった。しかしながら、国立感染研究所が行っている方法の一つであるMGPL1法(J Clin Microbiol 47,541,2009)を用いた解析により、藤田保健衛生大学と国立感染研究所の解析結果は一致した。通常の癌組織ではモノクローナル発生のため、検出されるHPVのDNAは単独感染と言われている。今回解析を行った患者は既往に多重がんを発症しており、特殊な環境の中での発癌と考えられ、HPV多重感染のメカニズムが存在する可能性がある。今回の解析結果は2015年秋の第53回日本癌治療学会にて報告する予定である。今回の検体は臨床的にもきわめて稀な経過を辿った症例であることから、今後は通常の臨床経過を辿った患者の検体を用い、同様の検出系で現在、解析を行っている。②PARKINの癌抑制能を検証する為に、既存の子宮頸癌細胞株にtetracyclin誘導性PARKIN発現細胞株を作製し、基質候補タンパクの変化を調べたが顕著な変化は認められなかった。この結果から子宮頸癌ではPARKINと相互作用して機能するタンパクも抑制されている可能性が示唆され、その候補遺伝子を探索する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究室の改修に伴い、研究材料の集積開始が遅れたが、サイトカインおよびmicroRNAの解析については患者の同意のもと2014年6月より患者血清の採取を開始し、同年10月より腟内より検体採取を開始した。腟内からの検体採取は2015年3月の段階でおよそ120検体となっており順調な検体採取数と考えている。予備的な実験において子宮頸部粘液から良好なmicoRNAが採取されることがわかり、microRNAarrayにて解析が可能なことは確かめている。患者検体を用いたサイトカインおよびmicroRNAの解析は検体数が集積されたところで分析を開始する。予備的な実験として培養細胞を用いたアッセイ系を確立するために培養細胞からRNA抽出準備を進めている。
|
Strategy for Future Research Activity |
HPVの型判定の質の保証については世界でも重要なトピックとして挙げられている。FFPEを用いた研究については藤田保健衛生大学でおこなったHPVのDNA解析と国立感染研究室において行ったデータの一致を見た。しかしながら、藤田保健衛生大学では限定的なHPV型検査であることから、まずはWHOの定点検査の拠点ともなっている国立感染研究所において網羅的なHPV型判定を行い、得られたデータをもとに今後の方向性について再度検討することにした。サイトカイン、microRNAの検索については患者検体の採取はおおむね順調に採取されてきているので引き続き検体採取を行う。解析に際しては、患者検体の個体差を打ち消すために臨床データがそろった検体数が十分に準備できて、統計解析ができる段階になったところで解析を進めていく。
|
Causes of Carryover |
2014年4月の消費税増税に伴い、予定していた研究室機器備品の納入が遅れたことから、結果として研究用検体保存開始が遅れることとなった。しかしながら、現在は研究機器備品もそろい、研究用検体は順調に採取されている。研究検体を処理するための消耗品を中心とした試薬の購入の一部を来年度に行うが、今後の研究計画に問題はないと考えている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究用試薬を中心に購入を行い、実験が順調に進むように取り計らう。
|
-
[Journal Article] Performance of p16INK4a/Ki-67 immunocytochemistry for identifying CIN2+ in atypical squamous cells of undetermined significance and low-grade squamous intraepithelial lesion specimens: a Japanese Gynecologic Oncology Group study.2015
Author(s)
Fujii T, Saito M, Hasegawa T, Iwata T, Kuramoto H, Kubushiro K, Ohmura M, Ochiai K, Arai H, Sakamoto M, Motoyama T, Aoki D
-
Journal Title
International journal of clinical oncology
Volume: 20
Pages: 134-142
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
[Journal Article] Cytokine profile in cervical mucosa of Japanese patients with cervical intraepithelial neoplasia.2015
Author(s)
Iwata T, Fujii T, Morii K, Saito M, Sugiyama J, Nishio H, Morisada T, Tanaka K, Yaguchi T, Kawakami Y, Aoki D
-
Journal Title
International journal of clinical oncology
Volume: 20
Pages: 126-133
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-