2015 Fiscal Year Research-status Report
咽頭扁桃におけるM細胞の機能解析:反復性中耳炎発症の内的因子の解明
Project/Area Number |
26462554
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉本 寿史 金沢大学, 大学病院, 講師 (20547179)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | M細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
Etsファミリーに属する転写因子であるSpi-BがRANKLの下流でM細胞の分化に直接関与することが過去に示されている。そしてM細胞は幹細胞から分化する課程で、様々なマーカーを発現することが知られており、初期にはSpi-Bに依存しないMarcksl1やAnnexinⅤ、後期にはSpi-Bに依存するCCL9、Sgne-1、M-Sec、GP2等のマーカーに分けられることが明らかとなっている。これらのマーカーを用いることでwild typeのマウスの鼻咽頭関連リンパ組織(Nasopharynx-Associated Lymphoid Tissue;NALT)におけるM細胞の分化度を解析した。 RANKL-RANKシグナルがM細胞分化の誘導因子として重要であることが明らかとなっている。そしてRANKL欠損マウスではM細胞がほとんどみられないこと、また全身性にRANKLを投与することでM細胞の欠落が回復することが報告されている(2009 J.Immunol)。このマウスを用いたM細胞の分化度の解析の条件設定について計画を行った。 咽頭扁桃から初代培養上皮細胞を作成して蛍光微小粒子(径0.5μm)と共培養し、M細胞内にこの微小粒子を取り込まれることを共焦点レーザー顕微鏡にて観察を行った。この実験を行うことで、M細胞の分化度がしていることが抗原取り込み能にどのように影響を与えるかについて解析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に前倒し支払い請求を行い、その計画書を作成した。 現時点でその計画通りの進行状況であるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
鼓膜チューブ留置術およびアデノイド切除をおこなった反復性中耳炎罹患児のアデノイド組織と、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の症状改善目的にアデノイド切除を行ったアデノイド組織を材料に検討する.ヒト咽頭扁桃におけるM細胞のマーカーとしてこれまでGP2、Clusterin, ClassⅡβ-tubulin、Ck20が報告されている。これらのマーカーを用いて、アデノイド上皮細胞に対するM細胞の割合を解析し、量的因子が反復性中耳炎発症に関連しているか明らかにする。さらに切除標本を用いて初代培養上皮細胞を作成し、蛍光微小粒子を用いた抗原取り込み機能の解析をおこなうことで、機能的因子が疾患に関連しているかを明らかにする。 JTTにより、咽頭扁桃のM細胞の発現度および取り込み能が促進されるか検証する。
|