2016 Fiscal Year Research-status Report
嗅神経切断後のTNF-α阻害薬による嗅神経の機能的再生促進法の確立
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26462579
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宮村 朋孝 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (20581838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正佳 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (80343218)
玉利 健悟 三重大学, 教養教育機構, 特任講師(教育担当) (90585176)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鼻科学 / 嗅覚 / 再生医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
TNF-α阻害薬による嗅神経再生促進を電気生理学的、行動学的実験により確認した。 電気生理学的検証は以下のように施行した。まず平成27年度と同様に全身麻酔下で嗅神経切断手術とエタネルセプト投与をOMP-tau-lacZマウスに施行し、術後100日目に同様にマウスに麻酔し、固定器に固定し、再開頭した。鼻骨も一部削開し、鼻腔を露出させ、鼻腔の嗅粘膜に刺激電極を当て、嗅球内に記録電極を挿入し、神経の電場電位(Field potential)記録を行い、神経伝導の回復の有無を確認した。その結果、生食投与のコントロール群は神経伝導の回復が不十分であったのに対して、エタネルセプト投与群は有意に神経伝導の回復が認められた。 行動学的実験による検証は以下のように施行した。まず、マウスに1%ナラマイシン(シクロヘキサミド)水溶液を用いて条件付けの嫌悪学習を施行した。次に、嫌悪学習に成功したマウスに対して、嗅神経切断とエタネルセプト投与を行い、術後経日的にナラマイシンに対する忌避行動の程度を確認し、嗅覚機能の回復の有無を確認した。その結果、生食投与のコントロール群は嗅覚機能回復が不十分であったのに対して、エタネルセプト投与群は有意に嗅覚機能の回復が認められた。 以上から、TNF-α阻害により、嗅覚は神経の形態的再生だけではなく、機能的再生も促進されることを明らかにした。この研究成果を学会で発表を行い、また、英語論文として国際的に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに作業が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で得られた結果を、ヒトへの医療応用に向けて、臨床試験計画などの準備を行う。
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Causes of Carryover |
物品費が予定よりも安く購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文掲載費、学会発表に関する経費の支払いに使用する。
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Research Products
(3 results)