2015 Fiscal Year Research-status Report
難治性鼻副鼻腔炎病態における局所粘膜での抗体産生に関する研究。
Project/Area Number |
26462589
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
松根 彰志 日本医科大学, 医学部, 教授 (00253899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 公裕 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10213654)
関根 久遠 日本医科大学, 医学部, 助教 (20566377)
北山 康彦 日本医科大学, 医学部, 教授 (60598704)
石田 麻里子 日本医科大学, 医学部, 助教 (60714780)
山口 智 日本医科大学, 医学部, 助教 (70386209)
臼杵 二郎 日本医科大学, 医学部, 講師 (80318477)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 好酸球性副鼻腔炎 / 篩骨洞粘膜 / 総IgE / 抗原特異的IgE / カンジダ / スギ |
Outline of Annual Research Achievements |
好酸球性副鼻腔炎病態における粘膜局所IgE産生に関連した病態を検討する目的で、 当科にて手術を施行した13症例(男性:11症例、女性:2例 平均年齢45.9歳、JESREC studyにて好酸球性副鼻腔炎(ECRS)6例、非好酸球性副鼻腔炎(NECRS)7例)を対象として以下の検討を行った。(方法)まず、手術にて下鼻甲介粘膜及び篩骨洞粘膜を採取し液体窒素で急速冷凍した。PBS1ml中でバイオマッシャ―を使用し5分間手動でホモジナイズした。その後上清を採取し凍結保存した。IgE測定はシーメンスアラスタット3Gで測定した。測定項目は、総IgE値及び特異的IgE値項目(スギ、ダニ、カンジダ、アスペルギルス、黄色ブドウ球菌エンテロトキシンA・B)とした。IgE値は血液1ml、組織1gあたりのIU国際単位で換算した。血液中、及び下鼻甲介粘膜、篩骨洞粘膜の上記IgEをECRS、NECRSで比較検討した。(結果)下鼻甲介及び篩骨洞粘膜の局所IgE値と血液中のIgE値とは統計学的な相関は認なかった。粘膜局所総IgE抗体は、下鼻甲介粘膜より篩骨洞粘膜で有意に高値であった。スギ、ダニ、アスペルギルス、カンジダ、エンテロトキシンA,B 特異的IgEについて同様に下鼻甲介粘膜で有意に高値であった。ECRS、NECRSとの比較では、総IgE、スギおよびカンジダ特異的IgEが、有意にECRS例の篩骨洞粘膜で高値であった。(考察)アレルギー性鼻炎の病的反応の主な場所は、下鼻甲介粘膜であり、一方ECRSでは篩骨洞粘膜が病態の中心と考えられている。総IgEや各抗原特異的IgEの産生がすべて下鼻甲介粘膜よりも篩骨洞粘膜の方が高かったので、篩骨洞粘膜でのIgE産生能が有意に高い。さらに、ECRSではNECRSと比較してスギとカンジダに対する特異的IgE産生能が高い。ECRSの病態におけるカンジダアレルギーの関与について検討を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
好酸球性副鼻腔炎の病態にせまる大変興味深い新しいデータが2年目にも得られた。鼻副鼻腔炎症例の特に手術症例からのサンプル採取も軌道に乗り、測定系も順調に機能しているので、引き続き当初の研究テーマを掲げて検討を継続したい。
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Strategy for Future Research Activity |
好酸球性副鼻腔炎の病態へのカンジダの関与を検討する方向で研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
検体測定のための外注費用が予定より低額であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記金額と翌年度分助成金を合わせて、物品費として使用する。
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Research Products
(13 results)