2014 Fiscal Year Research-status Report
スギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法の治療応用ー皮下および舌下免疫療法との比較ー
Project/Area Number |
26462590
|
Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
寺田 哲也 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (60343670)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | スギ花粉症 / 免疫療法 / 経リンパ節 / IgE抗体 / IgG抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
(方法)スギ花粉症ボランティア18名を対象とし二重盲検プラセボ対象試験を行った。4週間に1回の割合で合計3回の投与を施行した。実薬群はスギ花粉治療用エキス20 JAU 0.1 mlを、プラセボ群では同容量の生理食塩水を鼠径部の表在リンパ節にエコーガイド下に投与した。経リンパ節投与前、投与後4週間(スギ花粉症飛散前)、投与後13週(スギ花粉飛散終了後)のそれぞれに鼻粘膜抗原誘発テスト、皮内テスト、血液中抗体価、花粉症シーズン中の花粉症日記記載を施行した。 (結果)実薬の経リンパ節投与により、局所の腫脹、発赤、痒み等を認めたが重篤な副反応は全く認めなかった。治療効果のVAS scoreや鼻粘膜誘発テストで実薬群とプラセボ群において統計学的有意差をもって効果と抑制を認めた。抗原の経リンパ節投与により抗原特異的IgE抗体とIgG抗体の上昇を認めた。花粉症シーズン中のSymptom Medication Scoreにおいて実薬群で抑制傾向を認めた。 少量の抗原投与を3回施行するスギ花粉症に対する経リンパ節免疫療法において重篤な副反応は認めず、一定の効果を認めた。至適投与量の更なる検討、安全性、経時的な抗体価の変動や治療効果持続期間などについての研究を継続していく予定である。 本研究により、より抗原の投与回数、投与量を少なくできる新規の免疫療法の可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スギ花粉症ボランティアを対象とした臨床試験を施行した。 この結果に基づき、追加研究のプラニングを再考していく予定である。 おおむね順調に研究は進行していると考えます。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床的効果の持続、抗体の経時的変動を調べる必要がある。 また、経リンパ節投与された抗原の代謝や投与されたリンパ節の免疫応答に関する研究も考えている。 その他、経皮的抗原投与の治療応用についての研究も進行中である。
|
Causes of Carryover |
臨床研究の謝金として次年度(4月)に使用する予定の金額である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
臨床研究の謝金として次年度(4月)に使用する予定。
|
Research Products
(1 results)