2014 Fiscal Year Research-status Report
上咽頭癌の前転移ニッチ構築機構解明と治療用エクソソーム開発
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26462597
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
脇坂 尚宏 金沢大学, 大学病院, 講師 (70377414)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 上咽頭癌 / EBV / LMP1 / エクソソーム / 前転移ニッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
まず予備実験として、エクソソームの抽出を行った。Epstein-Barrウイルス(EBV)陽性Burkitリンパ腫培養細胞上清からエクソソームを抽出し、エクソソーム関連マーカーについて解析した所、CD63が発現していることが判明した。続いて、LMP1陽性とされるC666.1についてエクソソーム解析したところ、CD63は陽性であったが、EBV関連蛋白LMP1は同定されなかった。C666.1細胞のwhole cell lysate解析でもLMP1発現を解析したところ、やはりLMP1は同定できなかった。これらの結果からエクソソーム解析実験系において、C666.1であればLMP1にこだわらずにin vitroの実験系を組めることが判明した。これにより、LMP1陽性上咽頭癌細胞を用いた実験系の構築は断念した。ただし、C666.1を用いて、エクソソームに内包される蛋白や核酸の解析は可能と考えられた。 一方で、エクソソームに含まれるEBV関連核酸について定量的リアルタイムPCR法により解析を行った。その結果、EBER1、EBER2ともにエクソソームに内包されていることが判明した。C666.1を用いた同様の実験でもEBERsがエクソソームに内包されていることが判明した。これらの手法により、ヒト保存血清中のエクソソームにおけるEBV関連RNAを解析したところやはりEBERsが同定された。 本年度の実験結果からは、上咽頭癌のエクソソームについて、蛋白の解析は困難が予想されるが、核酸の解析とその意義の検討については支障なく実施できることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
まずLMP1陽性と想定したC666.1細胞でLMP1蛋白が発現していないことは想定外であった。AdAH-LMP1細胞は作成したが、上咽頭癌ではLMP1以外に発現する蛋白(EBNA1, LMP2)があり、また近年注目されているEBV関連RNAに視点を拡げて解析する選択肢もあると考えたため、EBV関連RNAの解析を広く行ったため、実験の進行に遅れを来した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はエクソソーム内の蛋白の解析と併行してEBERs-RNAやBART-RNAの解析を加える。その上で、エクソソームの前転移ニッチ構築能の解析のみならず、同時にエクソソーム内に核酸についてin vitroからin vivoに拡げて解析し、その意義について解明していく。
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Causes of Carryover |
ほぼ全額使用したが、効率的な予算執行により985円の残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、必要な消耗品の購入にあてる
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[Journal Article] HPV Status Determines the Efficacy of Adjuvant Chemotherapy With S-1, an Oral Fluorouracil Prodrug, in Oropharyngeal Cancer2015
Author(s)
Wakisaka N, Yoshida S, Kondo S, Kita M, Endo K, Tsuji A, Murono S, Muramatsu M, Yoshizaki T
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Journal Title
Ann Otol Rhinol Laryngol
Volume: 124
Pages: 400-6
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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