2014 Fiscal Year Research-status Report
温度感覚刺激、嗅覚刺激を介した新たな嚥下障害治療法の開発と嚥下機能の解明
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26462607
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
松本 宗一 高知大学, 教育研究部医療学系, 助教 (50633997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵頭 政光 高知大学, 医歯学系, 教授 (00181123)
奥谷 文乃 高知大学, 医歯学系, 教授 (10194490)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / カプサイシン / TRPV1 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
嚥下障害は原因が極めて多岐にわたること、症例ごとに障害様式や重症度が著しく異なること、年齢や身体機能の影響を大きく受けること、などにより多数の嚥下障害患者を包括する治療体系を確立することが困難であった。初期療法としてのリハビリテーションと、嚥下機能改善手術および誤嚥防止手術に代表される外科的治療がこれまでの治療の大きな柱であったが、患者個々に対して最適な治療が行えていたとは言い難い。また、現在の嚥下障害診療における大きな問題点は、リハビリテーションや外科的治療の適応となる患者はむしろ少数で、多くの患者は慢性期病院、介護施設、自宅などで嚥下性肺炎の危険性と向き合いながら生活している点にある。そこで、さまざまな嚥下障害患者に対して広く適応でき、患者にとって侵襲が少なく簡便で安全性の高い治療法を開発することを目的とし本研究を開始した。嚥下運動が咽喉頭の感覚刺激や嗅覚刺激と密接に関わっている点に着目し、これらの機能を活用することで嚥下機能の改善につなげることができるのではないかと考え、温度感受性受容体刺激や嗅覚刺激を取り入れた嚥下障害治療を計画した。さらにその効果を多角的かつ客観的に評価することで、嚥下障害に対する新たな治療戦略を構築することを目指した。具体的手法は、口腔・咽頭の温度感覚刺激として、嚥下反射や咳反射を活性化する温度感受性TRPV1 チャネルのアゴニストであるカプサイシンを経口投与し、嚥下機能の改善効果を評価する。評価方法として嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査、嚥下圧検査により定量的に評価するとともに、機能性MRI(fMRI)により嚥下に関連する脳活動様式を客観的に評価する。本研究により、嚥下障害治療のブレークスルーを図るとともに、極めて多数の嚥下障害患者に適応しうる新たな治療戦略を構築する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、カプサイシンシートの準備、血中サブスタンスP濃度測定、嚥下造影検査撮影の環境設備等を中心に行った。また健常者においてカプサイシンシートを4週間、連日経口摂取し、血中サブスタンスP濃度を測定した。結果、摂取1週後よりサブスタンスP濃度が徐々に上昇することが明らかとなり、口腔・咽頭の温度感受性TRPV1 チャネルに作用し、嚥下反射の惹起を誘発することが確認できた。さらに健常者の対象数を増やし、嚥下障害患者にも適応する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
健常者において、カプサイシン投与前後の血中サブスタンスP濃度測定し、対象症例数を増やす。また実際の嚥下障害患者において投与し、嚥下機能評価も併せて行う予定である。
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Causes of Carryover |
健常コントロールの症例数が予定に満たなかったため、余剰助成金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
助成金の余剰分を、そのまま健常コントロール対する研究に補填する。具体的にはカプサイシンフィルム代、血中サブスタンスP測定料等にあてがう予定である。
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