2016 Fiscal Year Annual Research Report
Treatment for dysphagia by stimulation for TRV1 receptor and olfactory sense
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26462607
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
松本 宗一 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (50633997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兵頭 政光 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (00181123)
奥谷 文乃 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (10194490)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カプサイシン / 嚥下障害 / 嚥下内視鏡検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
さまざまな障害様式や重症度の嚥下障害患者に広く適応できる新たな保存的治療法として、口腔・咽頭の温度感覚刺激を活用した治療法を開発する。カプサイシンは唐辛子の辛み成分で、嚥下反射や咳反射を活性化する温度感受性TRPV1チャネルのアゴニストである。カプサイシン含有フィルム(カプサイシンシート)を嚥下障害患者に経口投与することにより、嚥下機能の改善が期待できる。 嚥下障害患者14例に対して、嚥下内視鏡検査、嚥下造影検査を行い嚥下機能を評価した。カプサイシンフィルムの投与を行い、4週後に嚥下機能の改善効果を評価した。 結果、7例で評価可能で、嚥下内視鏡スコアの改善を認めた。項目別では、特に嚥下反射の惹起性が有意に改善していた。一方、その他の7例はドロップアウト4例、カプサイシンフィルムの不快感、咳嗽反射増強等にて中止が2例、嚥下内視鏡評価が困難であった例が1例であった。 さらに、予備実験として健常者2例に対しカプサイシンフィルムを経口投与した結果、3週後には血中サブスタンスP濃度の上昇を認めた。 さまざまな嚥下障害患者に対して、カプサイシンフィルムを経口投与することにより温度感受性TRPV1を刺激し嚥下機能を改善する効果が期待できる。
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