2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the onset mechanism and establishment of the prophylaxis of peritonsillar abscess
Project/Area Number |
26462609
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
渡辺 哲生 大分大学, 医学部, 准教授 (50231709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 扁桃周囲膿瘍 / 反復性扁桃炎 / 口蓋扁桃 |
Outline of Annual Research Achievements |
扁桃周囲膿瘍の発症機序解明、扁桃周囲膿瘍、ひいては深頸部膿瘍の予防戦略を確立する一助とするため、扁桃周囲膿瘍の口蓋扁桃組織について①TLR2、TNF-α、ICAM1、IL-17、IL6の発現亢進、②Th17細胞増加とTreg細胞減少を調べた。 新規に採取した口蓋扁桃組織と過去に手術で採取した口蓋扁桃組織のパラフィン切片からRNAを抽出してcDNAを作成、リアルタイムPCR法によりTLR2、IL-6、TNF-α、ICAM1、CD4、FOXP3、IL-17A、IL17Fの発現を調べた。検体は新規に採取した口蓋扁桃組織は扁桃周囲膿瘍膿瘍側が14検体、扁桃周囲膿瘍非膿瘍側が8検体、反復性扁桃炎が26検体、パラフィン切片は扁桃周囲膿瘍膿瘍側が30検体、扁桃周囲膿瘍非膿瘍側が24検体、反復性扁桃炎が53検体であった。各群の症例は年齢、性別を一致させた。 新規に採取した口蓋扁桃組織では各群でRNA発現に有意差はみられなかった。パラフィン切片では扁桃周囲膿瘍非膿瘍側よりも反復性扁桃炎でTLR2発現が亢進、扁桃周囲膿瘍非膿瘍側よりも膿瘍側、反復性扁桃炎でIL-6発現亢進がみられた。 扁桃周囲膿瘍症例の口蓋扁桃組織に想定していた変化がみられなかった。TLR2発現亢進もIL-6発現亢進も反復性扁桃炎の検体で亢進しており、扁桃周囲膿瘍形成にTLR2、IL-6が関与しているとは言い難かった。扁桃周囲膿瘍症例はもともと反復性扁桃炎の既往のみられない症例の方が多く、今回の結果は膿瘍形成の原因が口蓋扁桃自体以外にあることを示唆すると考えた。
|