2014 Fiscal Year Research-status Report
DNAメチル化を指標としたヒト乳頭腫ウイルスによる発癌メカニズムの解析
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26462611
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
DENG Zeyi 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人客員研究員 (50723863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 幹男 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00226557)
上原 貴行 琉球大学, 医学部附属病院, 助教 (00644402)
真栄田 裕行 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (40264501)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / HPV / LCR / DNAメチル化 / SMG-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はHPV関連頭頸部癌の発癌機序解明をめざし、頭頸部癌細胞株UM-SCC-47と子宮頸癌細胞株CaSki、SiHa及び頭頸部癌臨床検体を用いて,頭頸部癌におけるHPV-16ウイルスのE2結合部位(E2BSs)のメチル化状態、E2BSsメチル化状態の変化と癌蛋白E6、E7及び細胞サイクルの関係、頭頸部癌、正常頭頸部組織のSMG-1mRNA発現について検討を開始した。これまでに判明したことは、1) E2BSsのメチル化: SiHa細胞株ではメチル化率は低かったが、UM-SCC-47細胞株では79.8%、CaSki細胞株では90.0%のメチル化を示していた。HPV-16陽性頭頸部癌、子宮頸癌ではE2EBsのメチル化が高頻度、低頻度の二つタイプがあることが判明した。さらにHPV-DNA陽性の頭頸部癌臨床検体でメチル化の状態を検討中である。2) E2BSsの脱メチル化:5-aza-dcを用いてUM-SCC-47細胞株とCaSki細胞株のE2BSsを脱メチル化すると癌蛋白E6、E7の発現が低くなり、UM-SCC-47とCaSkiのアポトーシス率やG1とG2/Mの細胞は有意に増加した(P<0.05)。対照的にE2BSs低メチル化のSiHa細胞株では脱メチル化を行っても上記の指標は変化しなかった。3) 頭頸部癌SMG-1mRNA発現は正常頭頸部組織より低かった。HPV-DNA陰性の頭頸部癌に比べて、HPV-DNA陽性の頭頸部癌はさらに低い結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HPV-16陽性の子宮頸癌細胞株、頭頸部癌細胞株を用いて,HPVウイルスのLCRのメチル化状態、脱メチル化によるE6, E7の遺伝子発現、細胞サイクルとの関連について検討を行い有意の結果が得られ、国際誌に投稿中である。これまで頭頸部癌200例以上の検体についてHPV検査(感染有無,mRNA発現,HPV型判定)及びp16INK4a(HPV感染のサロゲートマーカー)の発現を既に実施して、国際誌にacceptされた。頭頸部癌組織中のSMG-1のmRNAを定量して、SMG-1はHPV感染との関連を明らかにした。次年度からSMG-1免疫染色の検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1) 次年度に頭頸部癌細胞株UM-SCC-47と子宮頸癌細胞株CaSkiとSiHa及びNude miceを用いて、前年度にin vitroで明らかにしたことをin vivoで確認する。2) 臨床症例の蓄積は随時予後調査を行い(年2回),データの蓄積を進めている。免疫組織化学を用いてp16INK4aの発現とSMG-1の発現部位を観察して、HPV感染及び予後との関連を明らかにする。3) 頭頸部癌にHPV-16のintegration siteを調べて、E6, E7の発癌蛋白mRNA発現,p16INK4a の発現、HPV DNAメチレーション程度の相関を解析する。さらに、HPV DNAメチレーション程度は頭頸部癌の症例予後との関連を明らかにする。 研究費は試薬と実験動物などの消耗品を中心として支出する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由としては、まず、早めに研究成果を達成のため、物品費の購入が予定より多くなったことがあげられる。また、初年度ということもあり、研究成果が学会発表の水準にまでは達しなかった部分があり、学会などへの出張を行わなかったため、旅費が発生しなかったことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画としては、学会への参加のための旅費に使用すること、海外文献の翻訳のための謝金として使用すること、などを計画している。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Epstein-Barr Virus and Human Papillomavirus Infections and Genotype Distribution in Head and Neck Cancers.2014
Author(s)
Deng Z, Uehara T, Maeda H, Hasegawa M, Matayoshi S, Kiyuna A, Agena S, Pan X, Zhang C, Yamashita Y, Xie M, Suzuki M.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 9
Pages: e113702
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] A comprehensive evaluation of human papillomaviruspositive status and p16INK4a overexpression as a prognosticbiomarker in head and neck squamous cell carcinoma.2014
Author(s)
Deng Z, Hasegawa M, Aoki K, Matayoshi S, Kiyuna A, Yamashita Y, Uehara T, Agena S, Maeda H, Xie M, Suzuki M.
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Journal Title
International Journal of Oncology
Volume: 45
Pages: 67-76
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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