2016 Fiscal Year Research-status Report
新しい分子生物学的手法を用いたリンパ節転移診断の研究開発
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26462614
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 政博 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90513268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松塚 崇 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80336461)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リンパ節転移 / OSNA法 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ節の採取が少なかったため、以前に採取したものを含め54個のリンパ節から病理組織用の検体とOSNA用の検体を作成し検討した。病理用の検体に対し、CK19抗体による免疫染色を行った。リンパ節に関して、CK19の免疫染色の結果が陽性であったものが6個、陰性が48個であった。また、HE染色では、陽性が9個、陰性が45個であり、OSNA法では陽性が8個、陰性が46個であった。全体のリンパ節におけるCK19免疫染色の結果とOSNA法の結果を検討した。免疫染色が陽性であった6個のリンパ節はOSNA法でもすべて陽性であった。同様に免疫染色が陰性であった48個のリンパ節のうちOSNA法が陽性であったのは2個で陰性が46個であり、免疫染色に対するOSNA法の感度は100%、特異度は96%でありこれらは有意な関連を認めており、リンパ節においてCK19蛋白の発現とCK19mRNAの存在には、有意な関連がある結果であった。原発巣に対しても免疫染色を行い、CK19の免染陽性が9例、陰性が12例であり、原発巣でCK19陽性率が42.9%と半数以下であった。 原発巣CK19免染により54個のリンパ節を2群に分けたところ、原発巣CK19免染陽性群9例の22個のリンパ節において、HE染色に対するOSNA法の感度は85.7%、特異度は100%、p<0.0001と有意であった。原発巣CK19免染陰性群12例の32個のリンパ節において、HE染色に対するOSNA分析の感度は50%、特異度は96.7%であった。 本研究により、原発巣CK19免染陽性の症例では、頸部リンパ節の転移診断において、OSNA法が病理診断と同等な診断結果をもつ可能性があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定していた検討項目の解析が順調にすすんでいるため
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Strategy for Future Research Activity |
追加の検討項目として原発巣のCK19免疫染色の結果と患者の血清中のCYFRA21-1の値との関連を調べていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していたより物品費の経費が少なかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データの解析や整理、積極的に学会に参加しさらなる研究テーマの探求のために使用する予定です。
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