2014 Fiscal Year Research-status Report
新たに開発した人工気管による気管上皮再生促進効果の解明
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26462615
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
多田 靖宏 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70363760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹澤 俊明 独立行政法人農業生物資源研究所, その他部局等, 研究員 (50301297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 気管欠損モデルの作製 / 人工気管固定方法 / 上皮形成促進効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度はNeo Bipotential collagen scaffold (neoBPCS)の移植検討を行った。 ①気管欠損モデルの作製と気管再建法の確立:ウサギの気管前壁に10×5mmの開窓を作成することができた。②人工気管の縫合固定方による違いを評価する目的に、縫合固定を0縫合・4点縫合・8点縫合のモデルを作成した。縫合には5-0ナイロン糸を用いた。操作の難易度としては3モデル共に特に難しくは無かった。操作の再現性は3モデル共に作成に問題は無かった。密閉性については肉眼的には0縫合と比較し8点縫合の方が密な印象であった。安定して作成可能であった。③neoBPCS移植後の気管内腔観察は、気管内腔を硬性内視鏡で直接観察した結果、0縫合モデルでは気管の変形が観察されたが、4と8縫合モデルでは変形はみられなかった。④摘出気管の病理組織学的評価は、移植後2週間と4週間目に摘出した気管標本を病理組織学的に評価した。その結果、移植後2週目では0縫合モデルでは線毛上皮は観察されなかったが、4と8縫合モデルでは線毛上皮の形成が確認できた。気管内腔は8縫合モデルが最も広く確保されていた。移植後4週目では0/4/8縫合モデル全てにおいて線毛上皮の形成が確認された。⑤摘出気管の免疫組織学的評価は、サイトケラチンとチューブリンとオクルジンの免疫染色を行い、機能的な上皮再生について評価した。移植後2週目ではサイトケラチンは全てのモデルで上皮層に確認され、チューブリンとオクルジンは4と8縫合モデルでのみ観察された。4週目では全てのモデルで3つ共に観察された。 これらの研究結果より、現時点では気管欠損部への人工気管の固定は、8点縫合が有効であると判断される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
H26年度研究実施計画書に記載した項目に関しては概ね達成できている。更に移植後の生理的な気管上皮再生についても免疫染色などで確認できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、neoBPCSをウサギの気管欠損モデルに対して、H26年度で確認された固定方法(8点縫合)で移植実験を行う。移植後7日、14日、28日に気管の内腔の観察を行った後に、移植した気管を摘出し標本を作製する。 H28年度は、摘出した標本に対して病理組織学および免疫組織学的に上皮形成過程を評価する。気管内腔の上皮を電子顕微鏡下に観察し、繊毛の再生状態を確認する。
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Causes of Carryover |
年度末に関連学会があり、研究成果発表および情報収集の目的で参加する必要があったが、日程がぎりぎりまで決まらず、残高調整が難しかったため。残高に対しては、研究の進捗が予定より早く進んでいるために動物の購入を年度末に行う必要がなかったため、
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に行う予定の動物実験に用いるウサギの購入資金(物品費)として使用する予定。
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Research Products
(2 results)